2008年8月30日土曜日

割合か絶対値か

こんにちは

先日、工事の施工図チェックをしている時のこと。
ケーブルラックの材質について議論になりました。
X線自由電子レーザー施設のクライストロンギャラリーに設置するケーブルラック。
標準品はクリーム色の塗装ですが、それはギャラリーのイメージと合わない。
メカニカルなマシンと調和するように、メタリックな印象のものを使いたかったんです。
カタログをめくりながら、イメージに合うものを探しました。

で、ガルバリウム鋼板製のものが適当だと考えました。
すると施工者の若い代理人君が、

 関口さん、それを選ぶと補助材料の金額が1.5倍になっちゃいます~

と泣き顔で言うのです。
もちろん材料を選ぶときは値段も大事で、大幅なコスト増は避けなければなりません。
1.5倍にもなるとしたら、ちょっと気後れしちゃいますね。

でも大丈夫。
ぼくは質問しました。

 1.5倍って、総額いくらだったものが1.5倍になるの?

ざっくり計算してみたところ、補助材料ですから総額200万円程度のものでした。
それが1.5倍で300万円くらいになるだけ。
100万円増です。

総額数億円の工事をやっているわけですから、100万円程度ならどこかでやりくり可能です。
よし、行けそうだと判断して、ガルバリウム鋼板製のものを選ぶことにしました。

議論するとき、割合で議論すべきか、絶対額で議論すべきか、どちらが正しい判断をするために適当かは峻別しなくてはなりません。
この区別をしないと、つまらない議論を続けたり、無用な迷いをしてしまったりするんです。

ぼくはこんな話しをしました。

 ぼくが学生の頃、学生食堂でキャンペーンをやっていた。
 カレーの肉20%増にするって。
 でも元もとほとんど入っていない肉なんだから、20%増にしたって
 あんまり意味がないよね。
 
ケーブルラックの材質については、それと同じような議論なんです。
絶対額を比べれば、たいしたことがないのが分かる。
割合だけ見ているから、困難にも見えてしまっただけなんです。

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