2008年9月10日水曜日

人はうぬぼれているものである

こんにちは

仕事で特別高圧変電所を造った時、経済産業省の技官による安全管理審査ってのを受けました。
高い電圧、大容量の設備なので、法令や基準に従って適切に造られているかどうかを、国が審査するわけです。
ぼくは電気主任技術者でしたので、フロントに立って経済局の検査官に説明をしました。

安全管理審査の受検はぼくにとって初めての経験でしたので、ちょっとあがってしまいました。
ぼくって見た目よりは神経細やかだから。。。なんちゃって。
ちょっとあがっちゃってたので、後から考えると「こう言えばもっと上手く説明できたのに」とか「あそこはこう説明すればよかった」などと思うところばかりでした。反省。
自分ではもっとしっかりと説明できると思っていたんですがねえ。。。
まあ、それがぼくの<実力>だったんだから仕方ないんだけどね。

ぼくの尊敬する数少ない教師のひとりである向山洋一さんから、こんな話を聞いたことがあります。

 ある先生の研究授業を見たときに、その先生の授業を
  「上手いな」と思ったら、その先生の実力は自分よりかなり上、
   「自分と同じくらいだ」と思っても、自分より上、
    「下手だな」と思ったとしても、自分と実力は同じくらいなものだ。

他人の仕事を見てへたくそだと思ったとして、自分で実際にやってみると、あんがいその人より上手くはできないものです。
人間って普通、他人の実力をその人の本当の実力より2割くらいは見くびっているものなんですよ。
それに加え、自分の実力は2割増しでうぬぼれている。
つまり、自分の意識の上では4割ものギャップがあるわけです。
他人の仕事への評価が厳しくなってしまいがちなのは、こういう心理なんだと思います。

よく他人の仕事にケチばかり付けているおっさんがいます。
じゃあその人自身の仕事はどんなだというと、大したことはやっていない。
このおっさん、<うぬぼれ度>が高いんですよ。
自分の本当の実力よりも2割どころか5割も10割もうぬぼれている。
こういうおっさんに限って、他人を5割も10割も見くびっていたりして、ギャップが大きくなってますね。
そういうおっさんに「文句付けるなら自分でやってみたら?」と言っても絶対にやらなかったりして。
自分の本当の実力が白日の下にさらされるのが怖いんですよ、きっと。

<本当の実力より、自分は2割り増しで、他人は2割引で思いがちだ>という法則を、ぼくはいつも意識していたいと思っています。
自分の等身大の実力を把握しつつ、少しでも実力を伸ばすようにしたいと思っています。
へんに傲慢になって他人をバカにしたりしないように。
ぜーったい、上に書いたようなアホなおっさんにならないように。

まー、尊敬に値する人を観察すると適度にうぬぼれていたりすることは確実で、うぬぼれることも自分を伸ばすコツでもあるとも思いますがねー。

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