2008年9月6日土曜日

愛こそすべて

こんにちは

ぼくはエネルギー管理士でもあります。
エネルギーを大量に使う工場などでは、無駄にエネルギーを使わないように管理をする技術者を置くように法律で定められています。
エネルギー管理士は、主に熱を専門にする免許と、電気を専門にする免許があります。
いつも「ぼくに専門はない。その時々興味をもったこと、やらねばならないことが専門じゃ」なんて豪語していますので、エネルギー管理士免許も熱、電気両方取得しました。
ぼくはその免許を活かして、理研の全国の事業所の省エネ計画に参画しています。

6月は経済省に提出する定期報告書の提出期限なので、今月は精力的に各所を回りました。
理研のようにエネルギーをたくさん使う事業所は、年1%以上の省エネをすることが法律で定められています。
今のところ努力義務なんですが、やっぱり達成した方がよいものです。
各所回ってみて、達成できている所とできていない所がありました。
その違いも見えてきました。

達成できていない事業所は、この時期しか省エネの仕事をしていないようなんです。
報告書を経済省に提出する必要があるから、この時期になって慌てて省エネ活動をするという感じ。
省エネは日常的にやらないと、効果の上がらないものです。
年間通じて、エネルギーの使用状況をチェックし、無駄なところはないか、削減できるところはないか、改修できるところはないか検討を続ける。
そうやってやっと1%削減できるような、地道な仕事なんです。
それを定期報告前1,2ヶ月でやろうとしても、無理に決まっています。

日常活動をしていないということは、日常的に現場を見ていないということでもあります。
施設の運転員の人たちとも話をしていない。
報告書を作ればいいと考えているから、運転員の人からデータだけもらってそれを転記しているだけ。
なので、データーの意味、意義が理解されていない。
日常的に運転員の人たちとお話ししたり、一緒に現場を回っていれば、もっと省エネネタを見つけられるはずです。
また、運転員の人たちがどんな仕事をしていて、何に悩んでいるかもわかる。
ぼくは書類チェックだけではなく、必ず現場周りもして、設備の運転状況や利用状況も確認するようにしています。
省エネに関するアドバイスもできるようにです。

ある事業所で現場周りをしたとき、ボイラー室前のマンホールから蒸気がもくもくと上がっているのを発見しました。
これは何だ?
さっそく運転員の人に話を聞き、ボイラー室を見せてもらいました。
ボイラー室に入ってみると、還水槽のオーバーブロー管から蒸気が漏れているのがわかりました。
明らかに不具合、エネルギーの損失です。
運転員の人によると、かなり前からこういう状態とのこと。
すぐ、修理依頼をしてもらいました。

この事業所は省エネ削減目標が達成されていませんでした。
蒸気漏れがその原因とは思いませんが、日常的に現場を見ていない、運転員の人たちと話をしていないことが典型的に現れてしまったのだと思います。

省エネ目標が達成された事業所は、ぼくが現場周りをしても機械室や電気室がよくメンテされているのがわかります。
運転員の人たちの話を聞いても、省エネ担当者と日常的によく打ち合わせがされているのがわかります。
だから、目標が達成されるんだと思います。

ちゃんと運営がされている施設には、「愛」を感じるんですよ。
その仕事に愛を持って関わっている人がいるかどうか、現場を見るとわかる。
愛があるからマメに現場を見に行く。
愛があるからマメに運転員の人たちと話をする。

好きな人とは毎日でも会いたい。
仕事だってそれと同じなんだと思います。
どんな仕事でも、日常とリンクが切れてしまうと上手くいかないものだと思います。
好きなら会いたくなるのが人間です。
愛がないと、義務のあるときしか会わなくなってしまうものです。
いい結果を導くかどうか、それが決めるのだと思います。

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