2008年10月7日火曜日

本当に必要な少子化対策

こんにちは

日本では少子化が問題になっています。
少子化の原因は、女性の晩婚化だと言われています。
結婚しない女性も増えているとも言われています。
確かにぼくの職場でも、バリバリと働く若い女性がたくさんいます。
総じて若い男性職員より優秀だったりするので、結婚して辞められちゃったら困るなあ、なんて思ったりもします。
だからぼくの職場でも、託児所の充実など働く女性が安心して結婚して子どもを産めるような施策がとられたりしています。
 
世の中の少子化対策は、子どもを産んでも安心して働けるようにするためのものが多いように思います。
このことは良いことだと思います。
でもなぜ最近の女性は晩婚化しているのか、そこが不思議なんです。
子どもを産むには先ずは結婚です。
なぜ女性は結婚しなくなっちゃったんでしょうか。

総務省「人口の動向」という資料があります。
ここに、生涯未婚率や初婚年齢の統計がありました。

女性の生涯未婚率と初婚年齢を調べてみました。

 年  生涯未婚率(%) 初婚年齢(歳)
1965   2.52       24.82
1980   4.45       25.11
1985   4.32       25.84
1990   4.33       26.87
1995   5.10       27.69
2000   5.82       28.58

確かに未婚率もジワジワと増えていますし、初婚年齢も上がっています。
ぼくの産まれた頃に比べて、未婚率は倍以上になっていますし、初婚年齢も約4歳遅くなっています。
2000年の初婚年齢が28.58歳というのは、ぼくの教え子の女の子も26歳~30歳くらいに結婚した子がほとんどでしたので、その実感に合致しています。
統計によれば確かに、結婚しない女性が増えているのは事実のようです。

ついでに男性の生涯未婚率と初婚年齢を調べてみましょう。

 年  生涯未婚率(%) 初婚年齢(歳)
1965   1.50       27.42
1980   2.60       28.67
1985   3.89       29.57
1990   5.57       30.35
1995   8.89       30.68
2000   12.57       30.81

なんと!最近では男性の方の生涯未婚率の方が高いのです!
特に1990年以降に男性の未婚率はグーンと上昇しています。
2000年のデータによれば、10人に一人以上の男性は結婚しないことが分かります。
確かに男女とも未婚率が高くなってきていますが、男性の方がより顕著なのです。
女性の2倍以上の男性が、結婚しないのです。
結婚できない、という方が正しいのかもしれません。

ここからはぼくの邪推です。
なぜ最近は、男性の方が未婚者が多くなったのか。
なぜ、男女の人口はほぼ同数のはずなのに、男性の未婚者が多いのか。

1990年といえば、バブルが崩壊の時期と一致します。
失業率、特に若者の失業率が上昇したのもこの頃からです。
フリーターも増えましたね。
また、それまでの日本のシステムだった年功序列賃金、生涯雇用が崩れ始めた頃でもあります。

結婚には愛情も大事ですが、経済的基盤も重要です。
この頃から、結婚生活を維持するだけの経済力を持つ若い男性が少なくなってしまったのが、男性の未婚率を上昇させた理由なのではないでしょうか。
きちんとした仕事を持っている青年なら、たとえ今は貧乏でも明るい未来を信じて結婚してくれる女性もいるでしょう。
きちんとした仕事をしていなくても、目的を持ってフリーターをしている青年なら好いてくれる女性もいるでしょう。
でも、夢もなく目的もなく何の努力もしていないフリーターの男性だったらどうでしょうか。
そういう青年と結婚してもいいという女性はめったにいないのではないかと思います。
だって、今も未来もダメな男なんですから。
そういう男性と、未来を共有することはできません。
結婚とはある意味、共に未来を描くことなんですから。

1990年以前は、夢もなく目的もなく何の努力もしていない青年であっても、どこかしら受け入れてくれる会社があったのではないでしょうか。
どうしようもない若者でも引き受けてくれて、仕事の中で鍛えてくれた中小企業の親父みたいな社長もいたんじゃないでしょうか。
箸にも棒にもかからないような若者でも、鍛えてもらって一人前になることができた。
そうして経済力を保障することができたから、適齢期にもなれば結婚してくれる女性もいたのではないでしょうか。

今はそうした受け皿もなく、ただ何となくフリーターをやっている青年、フリーターにしかなれない青年が増えてしまったのが、男性の未婚率を引き上げた原因なのではないかとぼくには思えるのです。
結婚しないのではなく、結婚できない男性が増えてしまった。
女性が、この男性となら結婚してもいいかなと思える男性が減ってしまった。
最近、秋葉原無差別殺傷事件などおかしな事件が多くなっているのも、結婚できない男性の無力感から来るのではないかと思えます。
 
だから、今最もやらなくてはならない少子化対策は、しっかりとした青年を育てることだってぼくには思えるのです。
夢を持ち、目標をもち、努力していく青年。
女性が結婚したいと思える青年を育てることなんじゃないか。
子どもを産み、一緒に育てていけるだけの安心を女性に与えてくれる青年を。

今度ぼくの職場の広報活動のひとつとして、小学校での出張授業をすることになりました。
子どもたち、特に男の子に夢を与えられるような授業をしたいなと思っています。
それがぼくなりの少子化対策だって思うからです。

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