2008年10月8日水曜日

自分の見つけ方

こんにちは

今ぼくは次世代スパコンとX線自由電子レーザーの建設の仕事に熱中しています。
ともに世界初、世界一の研究施設になるものです。
さすがに数百億円以上の国費を使ってのプロジェクトですから、あとからあとから解決すべき問題が湧き出してきます。
ひとつ解決すると、新たな難問が二つ三つと顕れる。
もーかんべんしてよーって思ったりもしますが、もはや逃げることはできませんから、ひとつひとつやっつけていくしかありません。

幸いにしてやり甲斐もあって面白い仕事なので、それほど疲れません。
もちろん精神が高揚しているからなんでしょうから、もう中年という年齢になっている肉体が追いついて行けない可能性もあります。
なので休日は極力仕事をしないようにして、身体と脳を休めるようにもしています。
健康を害してしまっては元も子もありませんからね。

谷口克編『病に挑戦する先端医学』ウェッジ\1400-にこう書いてありました。

 人間の場合は、情動系というところがいろいろ感じて、
 たいしてモチベーションが湧かないことを無理矢理やらされたりすると、
 ストレスになると一般に言われています。(151p、岡野栄之)

同じストレスでも、モチベーションの湧かないことを無理矢理、嫌々やらされると、悪いストレスになるんですね。
自らの意思で楽しんでやれば、ストレスも歓迎すべきことなんです。

内田樹『疲れすぎて眠れぬ夜のために』角川書店\1500-にもこうありました。

 使命感や自負を持たない人たちはストレスに弱い。(39p)

ぼくも、オレが世界一の研究施設のインフラを造る仕事を引っ張っているんだ、という気概があります。
これはオレにしかできないことなんだ、という(ちょっと傲慢な)自負もあります。
心地よい精神の張りを感じられて、とてもハッピーです。

天才北野武さんのプロデューサーである森昌行さんの著書『天才をプロデュース?』新潮社\1200-から引用します。

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何かをやり始めたら、問題はどんどん増えるものです。
問題を解決することで「自分は何が分かっているのか」が分かると同時に、「自分は何が分かっていないのか」も見えてきます。(169p-170p)
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ちょっと面倒だと思うけど、解決すべき問題が次から次へと湧き出してくるのは、当然のことなんですね。
それは自分が「動いている」からです。
動くことによって視界が広がるから、問題となることも見えてくるということです。
多くの問題が見えてくると言うことはすなわち、自分が進歩している証拠なんです。
大きな仕事をしていれば、向き合っているトラブルもまたふつうの人より多いのは当然なんだと思います。

自ら動いている人は、こうやって自分を高めていくんでしょうね。
何もせず動かない人は、視野が狭く何も見えていないから問題にも気づかない。
動くからこそ自分とは何かが分かってくる。自分の使命が明確になってくる。
動かず何もしないままの人生なら、自分とは何者かさえ分からないままになってしまうんですね。
ラクかもしれませんが、そんなのはつまらない人生だとぼくは思います。

ぼくにどこまで出来るか分かりませんが、まだまだこのちょっとハードな日々を楽しんでいきたいと思っています。
ザクザクと難問をやっつけ、それを乗り越える度に、「あ、オレってこういう人間なんだ」「オレはこれをやるために生きているんだ」、と分かってくるのも快感だしね。

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