2008年12月1日月曜日

エクスキューズは後でしろ

こんにちは

XFEL電気設備工事を担当している現場代理人から連絡がありました。
電気の配管と制御ラック架台が干渉しているとのこと。
この電気配管はマシン制御線を配線するためのもの。
それが使えなくなってしまったら大変です。
しかしこの配管はコンクリート埋設配管。
やり直しとなると大事です。困った。

制御ラック架台は建築工事。
この不具合が、電気工事のせいなのか建築工事のせいなのか、ちょっとトラブルにもなっているらしい。

何はなくとも現地確認です。
いつもより朝早く現地に行き、不具合現場を見に行きました。
もちろん、総合図、施工図も持って。
図面通りに施工されているかどうかで、誰のミスか判断できますからね。

現場と図面を照合したら、ほんの数cm配管位置がずれていました。
現場施工者に確認すると、建築の型枠金具があって図面通りの位置に配管することができず、ちょっとずらしても大丈夫だろうと思ったとのこと。
そのためラック架台と干渉し、配管断面積の1/4程度が架台でふさがれてしまったのです。

これは明らかに電気工事でのミスです。
ミスは認めちゃった方がいい。
すぐ現地の担当の方に「電気のミスです。申し訳ありません。どう対処すればいいか指示願います。研究者との調整もします」と伝えました。
施工者にも、施工定例という公の場で謝らせ、今後は同様のミスをしないよう対策を指示しました。
現地の担当の方から「わかりました。当方で研究者と調整します」と言っていただきました。

後日その方から「この程度の干渉なら問題なし。このままでよい」と連絡をいただきました。
ホッとしました。

藤巻幸夫『藤巻幸夫のつかみ』実業之日本社¥1400-から引用します。

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順序が大切だから、もう一度確認しておく、まず、結果の良し悪しだけを報告して謝る。
「失敗しました」->「全部、自分が悪い」の順。
その上で「上司の許可を求める」->「経過を報告」->「多少のエクスキューズ」の順番。決して最初からエクスキューズはしないこと。
上司は絶対聞いてくれない。
それどころか、エクスキューズをすればするほど、怒りの火に油を注ぐことになる。
なにより、あなたの人格が疑われる。(55-56p)
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自分が悪いと判断したら、素直に謝った方がいいとぼくは思っています。
その方が信用を得られる。
プラグマティック(実利主義的)に考えても、その方がお得なんです。
変に言い訳したり、誰かのせいにする方が、話がこじれますからね。

たとえミスに対する合理的な理由があったり、他の人のミスがあったとしても、最初に言い訳や誰かのせいにするのは得策ではありません。
そういう場合でも、自分が当事者であれば何らかの責任があるからです。
その部分は謝るべきなんです。
藤巻さんの言うように、最初にエクスキューズする人を多くの人は信用しないからです。

ぼくも社会経験を積んできて分かってきたことですが、最初から言い訳したり誰かのせいにする人は、たいていその人が悪い。
自分が悪いことが分かっているから、言い訳したり誰かのせいにしたりしないではいられない。
自信がないからです。
もうこれ以上失敗することはできないという思いが、言い訳や責任転嫁を生むのです。

自信があるから素直に謝れる。
多少のミスがあっても、それを上回るいい仕事をしているだけの自信がある。
ミスをリカバーするだけの技術も持っている。
だから謝ることに躊躇がないんです。

これはひとつの「人間の法則」だと思います。子どもの頃よく親から「言い訳するんじゃありません!」と言われたものです。
これは正しい躾けだったんですね。

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