2008年12月16日火曜日

好きなこととことん

こんにちは

先日の出張授業では、科学者(研究者や技術者)になるためには何をどう勉強していったらいいか、なんて話もしました。
ポイントは、 

好きなことはとことん 
嫌いなことはほどほどに

です。
ホントは、嫌いなことはやらなくてもいい、と言いたかったんですが、さすがに学校で話すことなので、「お父さんお母さんや先生に叱られない程度」なんて言って、お茶を濁しちゃいましたけど。

ノーベル物理学賞の益川先生のエピソードなんかも交えながら、好きな勉強、勉強に限らず好きなことは、学年の枠にこだわらずにどんどんやっていくのがいいと話しました。
小学生だって、好きなら中学生レベル、高校生レベルのことだって理解できるんです。理解できるようになっちゃうんです。
好きなことに関しては、テストで100点とって満足するんじゃなく、200点、500点、1000点・・・とどんどん上を目指して、担任の先生なんか超えちゃえ!って話しました。
そんな話をしたら、生徒さん、特に男の子の目がランランと輝いていましたね。

子どもに限らず大人でも、弱点補強と称して嫌いなことを無理にやったりするでしょ。
それは脳と心にダメージを与えますよ。
そもそも効率が悪い。
嫌いなことを無理してやると、好きなことをやる時間と余裕までもがなくなってしまうのです。
その結果、好きなことさえなくなってしまうんです。

好きなことをやれば楽しいし、効率もよくなります。
心と時間に余裕も生まれます。
すると、どうしても必要なら、嫌いなことにもちょっとは取り組んでみようという気も起こります。
だから好きなことをやっていった方が、反って嫌いなこともなくなっていくんです。
ぼくの経験からもそう言えますよ。

押井守『凡人として生きるということ』幻冬舎新書\760-から引用します。

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自由とは状態のことではない、と述べたが、自由とは常に「動機」とセットになっている言葉なのである。ある人間が何かをしたいと望む。
それがどのくらい自在にできるかどうかが、自由と不自由の分かれ目なのである。
何もしたくない人間や社会とのつながりを放棄した人間に、そもそも自由はない。(57p)
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好きなことをとことんやることは、自由への道なんですね。
やりたいことがいつも心の中にある。
そしてそれをやれる条件を整えていく。
その過程こそが、自由なんです。

やりたいことをやるためには、社会とのつながりも重要です。
自由とは自分勝手とは違います。
好きなことをやることと好き勝手は違います。
家族、周りの人、会社、社会が認めてくれるから、好きなこともできるわけです。

好きなことができないからと引きこもってしまうのは、実は好きなことができないのではなく、好き勝手ができないだけなんです。
よく「自由をはき違えるな」と言われるけど、それはそういう意味なんだと思います。

好きなことをとことんやるために、それを社会が認めてくれるためにはどうすればいいのか。
嫌いなこと、嫌なこともほどほどにやることも必要かもしれない。
それより、自分の好きなことが周りの人たちもハッピーにしていくなら最高です。
そこまで考えて実践してこそ、自由を得ることができるんだとぼくは思います。

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