2009年1月17日土曜日

目覚めの生理学

こんにちは
朝、なかなか起きられない人、いませんか。
ぼくも昔は起きられなかった。
今はけっこうスッキリと起きられるようになってきました。
いや、年取ったから早起きになったってわけじゃなく。

我が子たちを育てているので、育児書もよく読むようになりました。
乳幼児は「自然」ですから、なかなか思うとおりには動いてくれません。
でもそれを逆手にとって、自然に逆らわないように、乳幼児の生理にあったやり方をすると、スムーズに行くそうです。

たとえば、朝のお着替え。
朝ご飯を食べて、歯を磨いて、着替えて、出かける。普通はこの順序です。
保育園や幼稚園に行く時間が迫っているのに、遊んだりふざけたりしながらゆっくりメシを食ったりするんですよ、これが。
やっとメシを食ったと思ったら、まただらだら着替えをする。
すると、親としてはイライラする。
叱らなくちゃならなくなる。

そういうときは、順序を入れ替えるといいのだそうです。
昨夜の晩ご飯から朝までの時間は12時間くらい開いているわけですから、子どもはかなりお腹がぺこぺこな状態になっているのです。
子どもも早くご飯を食べたいのです。朝は体がそう欲求している。
そのときに、メシより先に着替えさせちゃうといい。
そう、ご飯を「おあずけ」するんです。
すると子どもはご飯を食べたいので、てきぱきと着替えをするようになる。
逆にご飯を先にしちゃうと、子どもはそれで満足してしまい、ゆったりとした気分になる。
そんなときに、せかされて着替えさせられても、するわけがないのです。
このように子どもの生理に沿ったやり方をすれば、イライラすることもなくなるのです。

もっと大きな子ども、小学生や中学生も同じです。
たとえば、朝登校した生徒にグランドを走らせたりする先生がいます。
朝から体力を着けようという趣旨なんだと思います。
でもほとんどの生徒は、だらだら走るんですよね。
だらだら走っても、体力は着きません。
それどころか、だらだら走っているのにもかかわらず、ねんざしたり転んだりして怪我する生徒が続出。
先生はイライラしっぱなしになってしまいます。

これも生徒の生理に合っていないことをさせるから発生する問題なのです。
人間が目覚める順序は、医学的に決まっています。
それは、目->耳->鼻->舌->皮膚->筋肉の順なのです。
つまり、神経系が先。

筋肉を制御しているのは神経系です。
体は、筋肉だけでは動かないのです。
きちんと神経系が制御しなければ、筋肉は整った動きができない。
だから神経系を先に目覚めさせる必要があります。
神経系が十分目覚めていない朝に、いきなり運動をさせれば当然だらだらしちゃいますし、怪我の原因にもなるのです。

生徒に朝読書をさせている先生もいます。
これは子どもの生理に合致しています。
読書は目を使うからです。
最初に目覚めるべき目を、読書によって十分目覚めさせる。
そうすれば、神経系の目覚めが促されて、授業にもスムーズに集中していける。
先生もイライラしなくてすむのです。
さてさて、目覚めの順序が分かりました。
生理的に無理のない目覚め方があるってことです。

それにも増して大切なのは、十分な睡眠です。
必要十分な睡眠があれば、朝も自然にスッキリと目覚めることができます。
睡眠時間と体力には、明らかな相関があることが研究の結果分かっています。
睡眠時間が6時間を切ると、体力もがくんと落ちます。
やはり7~8時間眠るのは、必要なことなんです。
もちろん人によって必要な睡眠時間に多少の違いはあるかもしれません。
また、たまには睡眠を削ってもやらねばならないこともある。
そういうバリエーションはあってもいいでしょうが、基本は変わらないのだと思います。
体力が減退しっぱなしになるような、睡眠時間はやはりまずいのです。

さらに、体力と知的集中力も強い相関があることも研究の結果わかっているのです。
体力がないと、集中力が落ち、頭も働かないんですね。
よって確実に生産性が落ちる。
睡眠時間を削って勉強しても頭に入らないし、睡眠時間を削って残業してもいい仕事はできないんです。

ぼくは子どもが生まれてから、子どもが寝る時間に一緒に寝てしまうことにしました。
9時までにはお布団に入る。
ちょっと絵本を読んであげて子どもが眠ってしまってから、ぼくも1時間くらい寝っ転がりながら読書。
10時半頃には眠りについてしまいます。
そして翌朝は5時に起きる。
十分な睡眠をとったわけですから、だいたいは目覚ましが鳴る前に目が覚めます。
コーヒーを入れて、電子メールをチェックして、それに返信しているうちに、神経系が目覚めてきます。
そしてこのごみメールを書いて、頭を完全に覚醒させます。
それから歩いたり自転車に乗って出勤。筋肉も目覚める。
だから始業時間にはフルスロットルになれるってわけです!
そしてバリバリ仕事をこなして、早めに退勤。
家族との団らんを楽しんで、早めに寝る。
こういう好循環が出来ています。
まー、もちろん休みの日は8時頃までだらだら寝ていたりもするんですけどねー。

体が目覚める順序は、三木成夫『人間生命の誕生』109ページに書いてありました。

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