2009年2月18日水曜日

会議は短く

こんにちは

会議とはものごとを決定していくために欠かせないプロセスです。
判断のための材料を提示して、選択肢をいくつか作り、それらを組み合わせながら、みんなで知恵を絞る。
判断材料と判断に至ったプロセスをメンバーが共有する。
すると、結果だけ知らされて仕事をするよりも、趣旨を理解して仕事をすることができるようになります。
趣旨を理解してやる仕事は、よいアウトプットを保証します。
だから、会議は必要不可欠な仕事のプロセスの一部なんだと思っています。

ぼくは会議は好きですが、でも、いたずらに長い会議は好きではありません。
世の中には「会議は無駄」と言う人も多いのですが、それは会議が無駄なのではなく、無駄な会議をしているからダメなんです。
無駄な会議の典型的症状が、長い、ということです。
会議時間はできれば1時間以内、2時間までならまずまず、3時間を超えるようなら明らかに無駄会議と判断していいです。

なぜ長時間の会議になってしまうのか。
それは、判断が欠けているからです。
決まらないからみんなで悩む。
悩んでいる時間が、会議を長引かせます。

なぜ悩むのか。
それは会議の場に判断材料を提示しないからです。
選択肢を用意しないからです。
そういった前準備なしに会議を開くので、判断不能になってしまっているのです。
人間の脳は意外と賢くて、判断に要する時間はたったの0.2秒であることが、最新の脳科学で分かっています。
でもそれには条件があって、必要十分な判断材料があること、判断するためのロジックを持っていることが必要です。
ある程度の社会経験のある人なら、ロジックは持っているものです。
だから、必要十分な判断材料がそろっていれば、まず正しい答えを導けるんです。

なので、会議はただ人を集めるだけではいけないんですよ。
会議を招集する人は、判断材料を揃えるという前準備を念入りにやっておく必要がある。
そのための作業を忘れないことなんです。つまりCrawlですね。
ただ長いだけの会議を招集する人は、この作業がすっぽり抜け落ちているのです。
Crawlするには時間と労力を必要とします。

自分の手帳を見てください。
会議日程ばっかり書いてありませんか。
きちんと会議に向けて準備作業をする時間を、手帳に書いて、スケジュールを確保してありますか。

佐藤克文『ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ』光文社新書\840-によると、アメリカの会議はとても短いそうなんです。

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後の細かい具体的なことは、それぞれの支援スタッフに個別に聞けというわけである。
ミーティングに要した時間は、わずか30分ほどであった。
全員が顔をそろえている場において、特定の人が一部の人にしか関係ないことについて長々と説明し、とくに議論もなく延々と時間が経過していく、といった日本のスタイルに慣れ親しんでいただけに、その短さは衝撃的であった。(149p)
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確かにその通りです。
日本の会議は、自分とは無関係な話が多すぎます。
それに「おつきあい」させられているんです。
なぜおつきあいしなくちゃいけないのか。
それは「念のため全員に聞いておいてもらった方がいいから」だったりします。
でもそれは、エクスキューズにすぎないんですよね。
ある事項について誰が責任者であり、関係者であるか、あいまいだからです。
たくさんの人を会議につきあわせておけば、何か不都合が起きたとき「あのとき会議で言ったはずだ」と言えるからです。
誰が責任者で関係者であるか明確にしておけば、無意味に無関係な議事につきあう必要がなくなります。

もう一つ長い会議の原因が、必要以上の細かなことまで打ち合わせること。
相手に任せる、任せてもよい部分まで、打ち合わせている。
細々した部分まで打ち合わせようとすると、打ち合わせることはいくらでも増えていきます。深入りしていきます。
どんなに深入りしても、際限がないものです。
結局、どこかで深入りをあきらめなくちゃいけないんです。
それをどこで仕分けられるか。
それが分からないから、細々したことまで打ち合わせている。
踏ん切りが付いてないんですよ。

会議も、リスクテイク、なんだと思います。
どこまで自分でコントロールし、どこから相手に任せられるか。
それぞれの責任と権限の範囲を明確にしないから、会議が長くなるんです。
相手に任せる、ということはリスクでもある。
細々したことまで打ち合わせないと気が済まない人は、そのリスクが恐いだけなんですね。

以上のような結果、会議が長くなり、Crawlする時間を相手からも自分からも奪い、判断材料もないまま悩み続け、でも締め切り日はやってきて、まともな判断を欠いたままいい加減な仕事をせざるを得ず、失敗に至る。

で、ぼくは長い会議を避けるためにどうしているか。
単純に時間を切ってしまうようにしています。
「今日の会議は11:30までに終わらせましょう」と、会議の冒頭で言ってしまう。
終了時刻を宣言しちゃうんです。
すると、その時間でできることも決まってしまいます。
判断できないときは、判断材料が足らないだけだから、次までに材料を用意するよう担当者に指示し、さっさと次の議事に移る。
時間がないと思えば、不要に悩まないようになるものです。

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