2009年5月9日土曜日

ペンは力なり

こんにちは

ぼくは毎朝のようにごみメールを書いていますが、仕事でも議事録を書いたりすることが好きです。
チャンスがあれば率先して書かせてもらっています。
それは、文章を書くのが好きだからというわけじゃなく、議事録を書くってことは力、パワーでもあると考えているからです。

議事録だって打ち合わせたことすべてを網羅して書くことは不可能です。
またすべてを書けたとしても、どうでもいい不必要な話もそこにはあって、記録として煩雑になってしまう。
だから必ず取捨選択が必要になるわけです。

その取捨選択の権利は、先ず議事録を書く人間に与えられるのです。
これは有利ですよー。
自分にとって都合のいい話はしっかりと書き、都合の悪い話はさらっと書くことだってできる。
もちろんウソにならない範囲でですがね。

なぜ議事録を書くかといえば、後々の利害関係のトラブルをなくすためです。
トラブルはたいてい「言った、言わない」だったりします。
口約束ほどあてにならないものはないですからね。
だから打ち合わせた内容を文書にして、お互い確認しておくわけです。
その時、議事録を書く側にイニシャティブがあるんですよ。
書くのが面倒なんて言っている人は、ビジネスに負けちゃいますぞ。

議事録のうちもっとも利害に関係するものは、「契約書」です。
ぼくも昔、契約書を作るのは業者さんの方、と思っていました。
契約書を作るのは技術と経験が必要だから、普通の人には作れないものです。
そもそも面倒くさい。
で、一般人は業者さんの作る契約書にそのままはんこを押してしまうのが普通でしょう。
でもそれは恐ろしいことでもあるんですよ。

ぼくの今勤めている理研は、国の出先機関みたいなところです。
何かを購入したり、工事を発注するときは、当然ながら業者さんと契約書を取り交わします。
で、理研に就職したばかりの時、ビックリしたんです。
業者さんではなく、理研側が契約書を作成しているんです。
発注者つまり、客の方が契約書を作るなんてめんどうな作業をしているわけです。
そんなの業者さんにやらせればいいのに、と思いました。

なぜわざわざ面倒なことをしているのか。
ぼく自身、仕事の中で契約書(設計図や仕様書)を作成しているうちに、分かりました。

もちろん契約専門の部署があって、技術と経験もあるからだということもあるでしょう。
でも何より、自分にとって「有利にコトを進められる」ってことが、発注者側が契約書を作る一番の理由なんだと分かりました。
相手任せの契約書では、損してしまうことだってありますからね。
そう考えると、やっぱり「書く側」がイニシャティブを握れることが、世の中多いって分かります。

森信三『新たなる人間の学』実践人の家\1800-にこうありました。

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文章が書けて、自分の考えを自由に発表できると言うことは、将来自分の道を開いてゆく上で、ひじょうに有力な一つの武器となる。(49p)
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ぼくは私生活でもそのことを意識しています。
自分の家を建てたとき、契約書自体は工務店さんが作ったものを使いました。
でも、それをざっと読んだだけでハンコを押すなんて、恐くてとてもできませんでした。数千万円の人生最大の買い物をするんですから。
契約書内容を吟味するために、一度全文を書き写して自分にとって不利な記載がないかどうかチェックしたんです。
書き写すと考えます。記憶にも残ります。
施工中も契約書の記載事項を思い出して、その範囲で施工者に必要な要求もしていけたと思います。
おかげでお金をかけた甲斐のある、いい家が建ちました。
ペンは力なり、なんですよねー。

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