2009年6月23日火曜日

余裕主義のススメ

こんにちは

夏のボーナス交渉も終わりました。
ぼくは労働組合の執行委員長として、会社側とメインとなって議論をしてきました。
得難い経験でとても楽しかったんですが、やっぱり緊張していたためか、持病の湿疹が首筋にできてしまいましたよ。
やっぱ気が弱いんだね、ぼく。

我が社は国の機関とは言え、この厳しい経済状況の中、昨年より大幅ダウンは避けられません。
それでもまずまずの線で交渉できたかな、と思っています。
と言っても、組合側の一方的な勝利とは思っていません。
今の時代、会社側あるいは組合側の一方的な勝利なんてあり得ないし、あってはいけないものだと考えているんです。

交渉とは、双方合計したメリットが極大となる点を見つけること、だと思っています。
一方が完全勝利したとしても、もう一方の損失が大きく、合計したものが好ましくない状況を生み出してしまうなんてことは、ままあることです。
双方が譲るべき所は譲り合わないと、この極大点に到達はできないのです。
極大点で交渉成立できれば、win-winの関係になれる。

すなわち、win-winとは妥協の産物でもあるんですね。
譲るということは、loseでもあります。
だから、win-winはlose-loseでもあるんです。

苫米地英人『自伝ドクター苫米地』主婦と生活社¥1500-にこうありました。

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人は競争しないことでよりよくなるはずだ。
競争するから人はどんどん煩悩だらけになっていく。
勝つことがすべてではなく、負けることがいいということを覚えなくてはいけない。
負けるということは相手を勝たせてあげることだ。
これはたとえば、自分の隣人を助けるために今やるべきことをやる。
それは競争ではない。
負けることだ。
いかに助けようか、ということだから、それはそれでやるべきことはいくらでもある。何もしないわけではない。
たとえば食糧についてもそうで、自分のためだけではなく、隣の人を食べさせるために食糧を作らなくてはいけない。
課題や競争がないと人は働かなくなる、というのはウソで、それは洗脳なのである。
よりよく勝ったほうがいいというのは、生産性を上げるための奴隷として理想化されているだけのことで、いかに負けるかを考えるのが重要なのだ。
いかに負けるかを考えるということは、これは余裕だ。
人類はすでに食べるものが十分にある全員貴族だ。
資本主義の次に来るものは共産主義ではない、余裕主義、相手を勝たせる主義になる。(214p)
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まったく同感です。
負けられる人の方が余裕があるんですね。
いつも勝とうとしている人は余裕がなく、下品です。
人の器は、いかに負けられるかで決まるんだと、ぼくも思います。
これからの時代は「余裕主義」なんです!

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