2009年9月12日土曜日

変人バンザイ!


こんにちは

昨日は神戸次世代スーパーコンピュータ施設の建設現場での仕事でした。
いつもの工程会議のあと、我が社の来年度採用予定の若者たちが見学に来ました。
理研の事業をよく知ってもらうため、内定者に各キャンパスの見学ツアーをしてもらっています。
そのツアーの中にスパコン施設も入っており、人事部からの依頼でぼくが案内することになったんです。

我が社も人気企業のひとつで、新卒者の採用倍率は100倍以上です。
若者たちが現場に到着したとき、ぼくはこう挨拶しました。

 ようこそ理研へいらっしゃいました。
 君たちは競争率100倍の難関を勝ち抜いて内定されたと聞いています。
 すなわち、君たちは上位1%の変人っていうことです!

一気につかみはおっけーですぜー。
和気藹々と楽しく現場を見学してもらえましたよ。

泰中啓一『「負けるが勝ち」の生き残り戦略』ベスト新書\680-にこんな話が載っていました。

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最初に道をつけたアリは、巣から餌までの経路にフェロモンを残すのであるが、それが最短距離であるとは限らない。
いわば「賢い」(忠実な)アリは先駆者の道なりに進むしかない。
ところが、集団の中には「いいかげんな」(忠実度の低い)アリもいるわけで、このアリどもは、列からはぐれて、なんとなく餌の方向に進むのである。
その道にももちろんフェロモンは残る。
それが仮に、最初の道よりも短かったりする。
そこを通るアリが次第に多くなって、こちらが餌への最適ルートということになる。
最適経路の検索には、この「いいかげんな」アリの存在が欠かせないということが分かってきた。(76p)
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働き者で実直なイメージのあるアリの中にも「変人(変アリ?)」はいるんですねー。
列から離れてちょっと脇道にそれてしまうアリ。
そういうアリが新たな、もっと価値のあるルートを見つけていくんだそうです。
奇人変人の役割を端的に示していますね。
先駆者の後を追うだけではいけない。
そこをちょっと外れてみるいい加減さと勇気。
それが奇人変人の役割なんです。

ここで注意が必要なのは、「ちょっと外れてみる」ということ。
単に人と違ったことをするのが変人じゃないんです。
決して餌のある「方向」は見失わないんです。
方向は間違えず、ちょこっとルートを変えてみるわけです。
だから最適ルートを発見できる。
そこが変人の要諦なんじゃないかってぼくは思うわけです。
ただ闇雲に進むのではいけないんじゃないかって。

方向とは「目的」です。
目的を見失ってしまうような、脇道、寄り道はしない。
常に現実を見据えて、現実をフィードバックさせながら、見失うことなく目的地を目指す。
そのときに、既成のルートにはこだわらないで列からはぐれてみたりする。
より最適のルートを探して、それを仲間にも伝えていく。
それが本物の変人なんだって思いました。

理研の新入職員君たちの中にも、ホンモノの変人がいるといいですねー。
変人こそが世の中を変えていくんです。
変人の先輩として大歓迎ですよー。

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