2009年11月18日水曜日

Interestとは何か

こんにちは

昨日は労組団体交渉。
ぼくは執行委員長ですので、主役となって交渉にあたりました。
交渉ネタは冬のボーナス。
昨今の我が国の経済状況、新政権による事業仕分けなど、我が社のようにほぼ税金で運営している会社はとても厳しい状況です。
金額的に大幅なダウンは避けられない。
我が社はたくさんの研究成果を挙げているのは確かですが、だからといってそれを評価して賃金やボーナスを増やしてくれるわけでもないのが悲しいところ。
強硬に戦っても得るものはなく、支給が遅れるなど失うものの方が大きい。
ならば金額については譲歩する方が得策であると判断しました。

その代わり、お金のかからない労働条件の改善を要求しました。
育児や介護の時にお休みが取りやすい方策、有給休暇を取りやすくする方策など、いくつかアイデアを提示しました。
その中から二つ三つでも実現させたいと思っています。
この点については使用者側とも利害が一致するので、たぶん実現するのではないかと期待しています。
来週にかけて交渉は続きます。
がんばろっと!

さて先日、技術士会情報工学部門の勉強会で「ハーバード流交渉術」についての講演を聴いてきました。
面白かったことをメモしておきますね。

interestという英単語を知っているでしょうか。
中学校でも習う単語ですから、ほとんどの人は見覚えのある単語だと思います。
その意味を思い浮かべてみてください。
たぶんほとんどの人は「興味」という意味だと記憶しているはずです。
ところが、interestという単語の意味には「利害」という意味もあります。
知っていましたか。ぼくは知りませんでした。
辞書を引いてみると、興味という意味より先に利害という意味が載っています。
利害の方がよく使われる意味なんでしょう。
同じinterestという単語が、興味と利害の二つの意味で使われる。
興味と利害とは、まったく関係のない意味のように思えます。

たとえば、ある姉妹の前にオレンジが一つあるとします。
二人ともオレンジが欲しい。
このオレンジを二人で分けるとします。
欲しいということは興味があるということです。
二人ともが同じ一つのオレンジを欲しがっているということは、そこに利害が発生しています。
二人は一つのオレンジをどのように分けるべきでしょうか。

一番単純なのは、二つに切って半分ずつ分けることです。
でも、オレンジは半分になってしまうので、満足度も半分になってしまう。
いがみ合ったまま、オレンジを半分ずつ分けるしかありません。

もう少し各々のオレンジに対する興味を確認し合ってみます。
すると、お姉さんはそのオレンジでマーマレードジャムを作りたかった。
妹はオレンジジュースを作りたかった。
そんなことが分かるかもしれません。
それならば、お姉さんには皮、妹には実と分ければいい。
そうすれば、お互いの満足度は1になります。
二人の合計満足度は1+1=2になるわけです。

もしかすると、1個分の皮でジャムは2人前できるかもしれません。
ジュースもカクテルにすれば2杯分できるかもしれません。
それならば、姉も妹も満足度2倍、合計2+2=4にもなるわけです。

つまり相手の興味をよく聞いてみて理解してみると、あんがい自分の興味と違っていたりすることもあるのです。
同じ対象物への利害でも、お互いの興味が違っていれば解決の方法も見えてくるのです。
あるいは、もしかするとまったく同じ興味を持っていることだってあるでしょう。
その場合は利害が対立したままになってしまいます。
その場合は、自分が自分の興味をずらしてみるのも解決への一つの方法です。
お互いともジュースにしたかったと言うとき、自分の興味をマーマレードへと変えてみるわけです。
あるいは相手に、マーマレードもいいんじゃないの?と提案してみる。
それでお互いが納得すれば、やはり満足度の合計は大きくなっていくのです。

利害が対立したとき、interestを「興味」と「利害」という二つの意味から見てみると、win-winへの道が見えてくるように思います。

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