2009年12月1日火曜日

ちょっと背中を押す

こんにちは

冬のボーナス交渉も先週で終わりました。
ぼくも労組委員長としてボーナス交渉は夏に続いて2回目。
だいぶん様子が分かってきました。

今回は戦略を変えてみました。
ボーナス交渉だからって金額の上乗せばかり要求しないことにしたんです。
だってね、交渉相手の役員だって所詮は雇われ役員。
お金についての権限はそれほどないわけです。
権限のない相手と交渉することほど無駄な時間はありませんよ。
結局せいぜい100円か200円上乗せできるかどうかの戦いになる。
毎度毎度100円200円の攻防に終始してしまうわけです。
なんかもったいないですよねー。
労使とも時間単価の高い人たちが時間をかけてああだこうだと言い合って、その結論が100円か200円。

もちろん100円だって労働者数を乗じればかなりの金額にはなりますよ。
でもボーナスをもらう個々人にとってはまったく影響のない金額と言っていい。
それで「勝ち取った」と言うのはちとせこい話なんじゃないかって、ぼくは思ったんです。
よって今回は、使用者側が一定の譲歩を見せてくれたらそれでよし、としました。
それ以上の金額を強硬に求めることはせず、こっちも譲歩する姿勢を見せる。

その代わり、ボーナス金以外のところで成果を得るようにしました。
今期労組の大きな目標は、時間短縮、年休取得促進です。
よのなかはワークライフバランスですからね。
メンタルヘルス問題をなくし、女性が社会参加しやすくする。
そのためには男性も働き方を変えなくちゃいけないと思っています。

もちろんやるときにはやる、残業も休日出勤もしてでも仕上げなきゃならない時もある。
特に我が社のように研究開発を主たる仕事をしていれば、当然のこと。
でもそれを「常態」にしてはいけない。
やるときにはやるけど、それは1~2ヶ月の範囲に止め、それ以外の時期は余裕のある働き方をする。
逆に言えば普段余裕を持って仕事をしていれば、いざというとき火事場の馬鹿力も出るってもんです。

時短、年休取得促進のためのアイデアをいくつか提示しました。
もちろんいっぺんに全部を認めてもらおうとは思いませんよ。
その中のひとつ二つでも実施できればと思ったのです。
徐々に少しずつでも働きやすい職場を作っていく、その方向に向かう。
幸い国の人事院勧告にも時短につながる勧告もありましたし、人事院勧告完全実施と抱き合わせで育児休業法改正案も国会に提出されていました。
なので使用者としても、やらなきゃいけないなー、と思っている事項なんです。

これらの施策を実行するには、就業規則など社内規程を変更する必要があります。
規程を変えることなら、交渉相手の担当理事や人事の人たちに権限がある。
相手に権限があるなら交渉のし甲斐もあるってもんです。
その結果、育児休業制度改正の早期実施と加重超過勤務をさせないため管理する方策を実行できることになりました。
まずまずです。

やっぱり世情とか時流とかは大切です。
アンテナを張って、今よのなかの流れがどうなっているのかをチェックしておく必要があります。
そして使用者側も「そろそろ考えなくちゃ」と思っていることを、交渉していくのがいい。
つまり、ちょっと背中を押してやるんです。
トリガーを引いてやる、と言ってもいいかな。
「いや~、労組から強く言われちゃってねえ~、やらなくちゃいけなくなっちゃいましたよ」というエクスキューズを相手に与えることもできるしね。

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