2009年12月15日火曜日

個性をはき違えるな


こんにちは

この前、まだ1歳か2歳の子どもなのに、髪の毛を金髪にしている子どもを見かけました。
この年齢ですから自分の意思じゃなく、親が染めたんでしょうね。
もちろん、一緒にいたお母さんも金髪でしたから、子どもとおそろいってつもりなんでしょう。
肉体が出来上がって自分の意思も確固とした年齢の子どもが、自分の意思で髪を染めたなら文句はありませんが、未だ乳幼児といった年齢の子どもの髪を親の好みで染めるのは賛成できませんぞ。

髪を染めるための薬はかなりの劇薬です。
老人である我が家のおばあちゃんは、髪を染めると必ず具合悪くなる。
それでも若作りしたくて染め続けていましたが、とうとうギブアップ。
具合悪くなるくらいなら白髪でも仕方ない、と割り切ったようです。
そのくらい髪を染めることは、体力がなくなった人にとって劇薬なんです。

ほ乳類の頭部は元もと魚のエラと発生的に同じ部分です。
顔の筋肉はエラを動かす筋肉が進化したものです。
ですから、顔や頭部はエラのように物質を吸収しやすい場所なのです。
そこに劇薬を塗りたくるのですから、体力がない人は具合悪くなってしまうわけです。
乳幼児も未だ体力的に十分発達しているわけじゃありませんから、髪を染めるのは体のためにはよくありません。

子どもの髪を染めちゃったりする親は、それで個性を発揮していると錯覚しているんだと思います。
ぼくなど口が悪いですから、髪ぐらいしか個性を発揮するところはないんかい、って言ったりします。
ともかく、個性というものをはき違えている人が多くなっているように思いますね。

林義道『父性で育てよ!』PHP\1300-から、ちょっと長いけど引用しますね。

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本来「個性」とは、秩序を乱したり、ルールを破ったりするものではないはずである。
それが「個性」と「無秩序」とが同じになっているということは、「個性」についての理解のどこかが間違っているからではないであろうか。
つまり、個性を重んじることが悪いのではなく、間違った個性の理解にしたがって個性を重んじることが悪いのである。

個性的教育を唱える人の中で、本当に個性とは何かということについて、深く考えたことのある人が、どれだけいるであろうか。
「個性」について、どれだけ本気に考えているかを試そうと思ったら、「個性と規律」の関係について質問してみるとよい。
「個性と規律を相反するものですか?」「個性と規律はどういう関係にあるのですか?」と。

私の答えはこうである。
「個性を伸ばすためには、きちんとした人格的な基礎ができていなければならない。
その基礎とは、自分をコントロールできる能力、最低限必要な秩序感覚、他人と協調するために集団規律を守ること、最低限の善悪の判断力である」。
これができてない人間が「個性的に」なろうとすると、他人に迷惑をかけるだけの、ただのわがままになってしまう。

個性とは、単に他と違っていることではなく、何か価値を主張できるものでなければならない。
他と違った価値を持っていること、他よりぬきんでた特徴のある価値を持っていることである。
そういう特徴は、良識のある人格的な基礎の上に成り立つものである。
このことが分かっていない者は、「規律に従うと個性的でなくなる」と思いこんでいる。
だから規律を破る「自由」をいちばん価値のあることだと勘違いする。
他人と違う行動をするだけで個性的になれたと勘違いしている者たちである。
たとえば髪の色を自由にすることが、個性的教育だと勘違いしている。
髪の色だのポルノの表現などというくだらないことのために、「自由」という大切なことを浪費しないでもらいたいものである。
「自由」というものは、本当に人間の尊厳を守るといった、大切なことのために使うようにしたいものである。(93-94p)
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他人と違うことが即個性なんじゃないのです。
きちんとした価値を伴っていることが必要なんですね。
髪を染めることで何か価値を生んでいるのか、よく考えてみることです。

たとえば一昔の飲食店の女性なら、髪を染めることによって非日常的な経験をお客さんに提供して、お客さんを呼び込むといったような価値があったかもしれません。
でも今は、銀座の高級飲食店の女性はみんな自然な黒髪なんだそうです。
黒髪の方がお客さんが寄って来て、価値を生み出しているんだって。

自分の子どもの髪を染めることはどうなのか。
それによってどんな価値が生み出され、個性を発揮することに貢献しているのか。
価値も生まず、健康を害しているだけなんじゃないかって。

我が子たちには本当の個性とは何か、きちんと理解してもらいたいです。
理解できるようなしっかりとした学力を身に着けてもらいたい。
そう願っています。

1 件のコメント:

ま-くん さんのコメント...

こんちゃ
子供の髪の毛を染めてはイカンって聞いた事がありますよ
何となく身体に悪いからだろうなっ て思っていましたが、やはりそーなんですね