2010年1月5日火曜日

最重要人物は自分


こんにちは

子どもの言う言い訳に「別に誰にも迷惑をかけてないじゃないか」と言うのがあります。
宿題をやらなくても、試験勉強をやらない、授業中居眠りをしていても、授業をサボっても、あるいは援助交際に手を染めても、違法な薬に手を出しても。
確かに他人に迷惑はかかっていないのかもしれませんが、それでいいのでしょうか。

親や教師も「他人に迷惑をかけるな」とよく言ったりしますよね。
それ自体間違ったことではないのですが、それを過剰に解釈して「他人に迷惑をかけなければ何をしてもいい」と勝手な判断を身に着けてしまった子どもが多いように思います。

けれども果たして、宿題をやらなくても、試験勉強をしなくても、授業中居眠りをしていても、授業をサボっても、あるいは援助交際に手を染めても、違法な薬に手を出しても、誰にも迷惑をかけていないのでしょうか。
迷惑をかけたとしても、親や教師が悲しむ程度とでも思っていたら、大間違いです。
最重要な一人を忘れていますよ。

内田樹『下流志向』講談社\1400-にこうあります。

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この個人的な判定の正しさには実は「連帯保証人」がいるのです。
「未来の私」です。(77p)
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そう、最重要人物とは「未来の自分」なんです。
未来の自分に対して迷惑をかけていないかどうか、一度考えてみる必要があります。

宿題をやらない、試験勉強をやらない、授業中居眠りをする、授業をサボることによって、未来の自分がどんな迷惑を被るのか。
基礎学力が不足しているために、社会的評価の高い地位の仕事、意義のある仕事に就けない可能性が高くなります。
あるいは、自分のやりたいと思う楽しい仕事ができない可能性が高くなる。
学歴は十分条件ではありませんが、必要条件である仕事は多々あるのは確かです。
逆に、低賃金でやりがいのない面白くもない仕事に就かざるを得ない確率は高くなります。
もちろん低賃金の仕事が意義がないわけではありませんが、自ら意義を見つけて選んでそれをするなら幸せですが、仕方なくやらされる仕事は幸せとは言えません。
学力が低いために本当に意義のあることが何か理解できなくなる恐れもあります。

意義が理解できないから、お金の多寡だけで判断してしまうようにもなってしまう。
意義も見いだせない低賃金の仕事ばかり自分ができないとしたら、嫌になってしまうのは当然でしょう。
「こんな安い給料でやってられるかよ!」と思って、すぐ転職してしまう。
すぐ辞めてしまうと、もう少しがんばれば得られるスキルも身に付くことはありません。
スキルのない人は、転職したってやっぱり安い給料でやりがいのない仕事をあてがわれてしまうものです。

援助交際や違法薬物だって、未来の自分にとっては大きな迷惑です。
これらは回復不能なダメージを体に与えます。
援助交際によって性病に感染する、妊娠中絶を繰り返すことによって、二度と妊娠しない体になってしまう恐れがあるのです。
本当に愛する人ができ、一緒に家族を作っていきたくなっても、子どもが産めないかもしれないのです。
子どもを産むだけが幸せとは言えないかもしれませんが、望んでもそれができないことは不幸だと思います。
違法薬物も同じく、肝臓が悪くなったり脳の一部が壊れたりする。
すると未来の幅は極端に狭くなってしまいます。
障害を抱えたままその後の人生を送らなければならなくなるのです。
たとえばスキーやスノボで楽しみたくても、肝臓が悪いと激しい運動ができないのです。
もちろんそういう身体を抱えて、やりがいのある楽しい仕事に就くことは難しくなり、楽しい家庭を築くことも困難です。

未来の自分は今の自分の連帯保証人。
「今の自分」がやったことの尻ぬぐいは、「未来の自分」がすることになるんです。
ならば、未来の自分にいいプレゼントをしておきたいじゃないですか。
今さえよければ、今さえ楽しければいいという考えは、とりあえず捨て去りましょう。
明日の自分、来年の自分、10年後の自分のために、今何をやるべきか、あるいは今何をしてはいけないか、ちょっと考えてみる。
それが本当の「自分を大切にする」ってことなんじゃないかと思うのです。

我が子はつき君、とんたんにも、自分の人生の最重要人物は自分であること、自分を大切にするってことの意味を教えていきたいなーって思っているのです。
もちろん親であるぼくらも、5年後10年後のことを考えて今を充実させていこうと思います。

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