2010年4月5日月曜日

仮説を持ってコトにあたれ!


こんにちは

ぼくはしばしば、出張して工事の立ち会い、監督を務めます。
たとえば、高圧受電設備の受電立ち会いをするために。
そういうときは出張後にその報告を本所にいる上司にしなくてはなりません。
でも出張後に報告書を書くのって、めんどうですよね。
本所に戻れば戻ったで、山のような仕事が待っていますし。
めんどうがっているうちにどんどん時間が経ってしまって、提出するタイミングを逃しちゃったりする。
最後は上司から呼ばれて「関口君、報告書まだ出てないよ」なんて言われてしまいます。

そこでぼくは次のようにしているのです。

 出張前に報告書を書いてしまう。

これは役に立ちます。
それは出張して行う仕事を予習することができるからです。
何をどのような段取りでやってくればいいのか、あらかじめ頭にインプットできるのです。
で、実際に検査等しないと記載できない数値の部分は空欄のままにしておきます。
ついでに「基準通りに検査されており、問題なく無事受電しました」なんて、やってもいないのに上手くいったことまでちゃっかり書いちゃう。
まだ、出張に出る前なのにね。
そして検査が終わったら空欄を埋めて、本所に戻って報告書の完成です。
あっという間に、上司に提出できます。

米沢富美子『科学する楽しさ』新日本出版社\1600-にこんなことが書いてありました。

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創造的な研究につながるアイディアをつかむために私が実行している企業秘密は、問題に対して先に答えの予想を立ててしまうことである。
行方定めぬ手探りでは無駄が多く、答えに行き着けないことも多い。
答えはこうなるにちがいないと見極めて、そこから逆に歩いてくれば確実である。
いうならば、迷路の問題を出口から解くようなものだ。
入口からの道のりでは紛らわしい岐路がつぎつぎに出てくるかもしれないが、出口からだと、意外にすんなりと全容が見えたりする。
予想した答えが間違っていれば、やり直せばよい。
そのうちに答えの的中率も上がってくるだろうから。
このくらいのんびり構えていることも、クリエーティブな研究をなし遂げるために必要なことである。(88p)
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要するに、何事にも「仮説」を持ってコトにあたることが大事なんですよね。
仮説とは「こうなるであろう」という予想です。仮の答えと言ってもいいかもしれません。
しかも上手く行くであろう仮説を持っていると、実際ホントに上手く行ってしまうことが多いんです。
ぼくの出張報告のように「上手くできました」という結論まで先に書いちゃうと、せっかく書いた報告書を反故にしちゃうのがもったいないから、上手く行くように段取ることにもなります。
なんとしても上手くいくよう、努力もするようになります。

反対に、仮説もなしにコトにあたると、失敗する確率が高い。
なぜなら、行き当たりばったりになりがちだからです。
方向性が見えていないので、無手勝流に進めがち。
事前の段取りもしていないので、上手くいかないのも当然なんです。

仮説から考えることは、未来を先取りする技術なんだと思います。
仮説を持つから、ハッピーな未来がやってくるんです。


写真はXFEL実験棟内の大会議室です。
骨のようなルーバーがあるので照明ムラができるかと心配していましたが、念入りに照明配置を検討したのでバッチリでした。
ショートディレイ効いたの残響音も予想通り。
この大会議室の収容人数は150人ですが、播磨研内にこのような中規模ホールがなかったので、きっと喜ばれるものになると思いますよ!

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