2010年5月6日木曜日

高眼手低


こんにちは

昨日はこどもの日でしたが、来週からの会計検査の準備のため出勤しました。
もちろんぼくは労組委員長ですからサービス残業なんかはしませんよ。
しっかりと振替休日をとります。
ぼくは職位上「ヒラ」ですから超過勤務手当も出ます。
が、既に給料は必要十分いただいているし、もうこの年齢ではお金より時間の方が大切です。
必要なときはしっかり働く、その代わり余裕のあるときにしっかり休むってことにしています。

それにね、ぼくくらいの年齢(40代後半)になると残業単価もとても高額。
あんまり残業してしまったら経営を圧迫しますよ。
それは長い目で見たら、会社にとっても自分にとっても損なこと。
40代以上になったらなるべく残業しないというのも、サラリーマンのマナーだと思います。
時間のかかる「作業」は時間単価の安い若い人に任せて、若い人を育てるとともに本当にお金の必要な年代の人に残業代を稼いでもらう。
30代前半くらいまでの若者は、ある程度長時間働かないとスキルが身に付かないものです。
気力も体力もある年代に、具体的な「作業」を通して腕を磨いてもらう。
当然ながらしっかりと働いた分だけ残業代を稼いでもらう。
そういう配慮もシニア労働者には必要だと思っています。

前便で、

  技術者というのは「勉強家」かつ「なまけもの」でなければならない

と書きました。
これは技術者に限らず、すべての人に当てはまります。
勉強というのは「事前に」行うものです。
試験勉強をテストのあとにやったって意味がありませんよね。
テストの前にしっかり勉強するから、いい点数をとることができる。
つまり勉強とは「前段取り」に他なりません。
準備、と言ってもいいかな。

テストの前に怠けて中途半端な勉強しかしなかったら、悪い点数しか取れません。
悪い点数だと追試なんかあって、また再度勉強しなければならなくなります。
資格試験だったら、また来年まで同じ勉強を続けなくちゃいけない。
ところが試験勉強をしっかりやれば、いい点数を取れます。合格します。
するとそこで勉強から開放されるわけです。
晴れ晴れと怠けることができる。

会社の同僚などを観察していても同じだって分かりますよ。
準備を怠らない人は、どんどん仕事を終わらせ、次の仕事に取りかかっていけます。
いい加減な準備しかしない人は、何度も何度もやり直ししているんです。
残業を長時間している人は、たいてい後者なんです。
インディアンの諺に「怠け者は二度働く」というのがありますが、まさにこれ。
勉強=前段取りを怠ると、結局もう一度同じ仕事をしなければならなくなるのです。
このことは、家事だって育児だって同じだと思います。
しっかり準備をすれば、反って楽ちんになれるんです。

ではどうやって勉強=前段取りしていけばいいのでしょうか。
益川敏英『科学にときめく』かもがわ出版¥1500-にそのヒントが書いてありました。

###
私が大学の教養課程の時に数学の先生がこういうことを言いました。
「高眼手低」。
目は高いところにいつもおいて、具体的な仕事をするときには手は低くおく。
私のこの言葉の使い方は本来の意味とは違います。
本来は、他人の仕事を批評するときには目は高いが、自らの業は低い、ろくな作品を書かないことを皮肉った中国の言葉です。
「しかし」と言って私の先生は、「仕事をするときは高い目標を掲げて、着実に出来ることからやっていきなさい」と言いました。
その意味でも「高眼」ということに重点があって、下のことをやっていても自分の目標はここにあるのだ、それに向かって努力していくのだということが大事です。(58p)
###

まず目標をしっかり見極める。
最終ゴールをイメージするんですね。
目標が明確になるまで作業に着手しないことが大切です。
目標無しに作業すると、行き当たりばったりになって無駄が増えます。
あるいは、あれもこれもと手を出してしまって、右往左往してしまいがちになります。
目標がはっきりすると、そこへ至るルートも見えてきます。
ルート上に小目標を立て、そこまでの時間を見積もります。
それを紙に書き出していきます。
期日までにゴールするためには、今日どこまでやらなくちゃいけないかがはっきりします。
あとは手を低く置いて、スケジュール通りに具体的作業をコツコツやるだけです。

検査官が聞きたいと思うことを想定して、説明資料を揃えていきました。
ぼくの休日出勤もこんな感じでコツコツこなし、ほぼ完了。
自分では用意できない不足する資料があったので、電子メールでスタッフに依頼。
これで来週の検査も自信を持って臨めます。
ホッとして、再度検査スケジュールを確認してみました。
すると、もう一つぼくの担当する案件が検査対象になっているのを発見!
ありゃりゃ。。。
でも分かってよかったですよー。
ぶっつけ本番にならずにすみました。
もう一踏ん張りですねー!


写真は神戸次世代スパコン棟エントランスロビーです。
吹き抜けがステキでしょ!

0 件のコメント: