2010年5月31日月曜日

三高の生物学的意味


こんにちは

我が長男は今幼稚園年長さんです。
来年は小学校。
なので今年は「お受験」しようと思っています。

だからといって子どもをお受験塾に通わせたりはしていません。
ぼくは若い頃、進学塾に勤めていたこともあります。
その進学塾には幼児向けお受験塾も併置されていました。
ぼくは幼児クラスを担当したことはありませんでしたが、端から様子を観察していました。
お受験塾でお勉強する内容は、わざわざ塾でやるほどの内容ではなく、家庭でごく自然に身につけられる程度のものだと思いました。
お受験対策が必要だとしても、家で数回練習すればできちゃう程度なんですよ、小学校受験の内容なんて。

家庭の躾がきちんとしている子どもは最初から楽々できちゃうし、そうでない子はなかなかできず、できないから反って萎縮したり劣等感を持ったりね。
幼児期にお受験塾で何度も何度もできないことを無理矢理やらされ、萎縮したり劣等感を持たされるのは幼児にとってよくないことです。
お金を払って子どもをダメにしちゃって、大損ですよ。

きちんと躾けられていればどの子でもできるような試験で、どうやって合否を決めるのでしょうか。
5歳や6歳の子どもを見て、その子が優秀かどうかなんて、まだまだ未知数ですよ。
なので、親を見るわけです。
しっかりした親であれば、家庭に教育力がある。
家庭に教育力があるなら、子どもはそれなりに成長するのです。

もちろん、親の経済力も大切です。
名門私立小学校だと、初年度は200万円、その他の年度は150万円もの授業料が必要です。
卒業まで親がその負担に耐えられるかどうか。
親の経済力は子どもを見ただけじゃ分からないのは当然です。
なので、お受験は親の面接のウエイトの方が高いのです。
「小学校受験は親の受験」と言われる理由は、そういうことなんですね。

先日、学習院初等科の学校説明会に参加してきました。
いや、学習院に入れる気はないし、ぼくら親のレベルからして通わせ続けられるほどの経済力もないし、入れてくれるとは思ってもいませんが、この機会に名門校の様子を見てくるのも悪くないことだと思ったんです。
あいにくぼくは仕事の都合で参加できませんでしたが、妻が参加してきました。
というところで既に不合格ですよね。
我が子の重大なイベントであるお受験に対して、父親が仕事の都合で参加できない。
なぜ都合が付かないかといえば、自分で自分の仕事をコントロールできないからです。
すなわち、たいした地位に就いていない、ということです。

妻が話してくれたところによると、さすがに四谷のキャンパスは広々としていてスバラシイ。
校舎も伝統ある校舎と、真新しい校舎のバランスがよい。
先生たちも落ち着いていて堂々としている。
学習院は大学附属でありながら進学校でもあります。
大学までエスカレーターで進学する生徒は少なく、鳩山兄弟のように高校、大学から受験して東大なんかに進学する生徒も多い。
だからおっとりしているだけじゃなく、勉強もしっかりとやらせる学校なんです。

妻が話してくれた中で面白かったことは、

 説明会に参加してきているお父さん、お母さんたちはみんな背が高い

ということ。
おーー、さすが学習院に子どもを入学させようという親は「三高」なんでしょうかねー。

三高とは、高身長、高学歴、高収入ってことです。
ぼくの経験でも、役所のキャリアの人や会社の役員の人たちも、大きい人が多いんです。
身体が大きいと、高学歴だったり高収入だったりするみたいです。
行動経済学の研究でも、男性の平均身長以上の集団とそれ以下の集団では年収に5%の差があることが分かったそうです。
もちろんこれは統計的な差なので、個々人では分かりませんよ。
背の低い人でも高学歴、高収入の人だってたくさんいるでしょう。
背が高くても学歴もなく、収入も少ない人だっている。
でも集団としてみると、高身長=高学歴=高収入であるという「傾向」はあるんです。

身長の高低はどうやって決まるのでしょうか。
もちろん、大腿骨など骨の長さで決まります。
骨が長くなるのはどうしてでしょうか。
子どもの頃の骨には、「骨端線」という部分が認められます。
この部分で盛んに増骨細胞が働いており、骨を長くしているのです。
大人になると骨端線は消滅し、もう背が伸びなくなってしまいます。
そして、骨端線を消滅させるスイッチは、成熟ホルモンなのです。
成熟ホルモンは、生殖可能な身体に造り替える時に分泌されるホルモンです。
生殖可能=大人になる=もう背が伸びない、というわけです。

どういう人が背が高くなるのでしょうか。
幼児や少年少女期での背が高い低いと、大人になってからの身長とは、あまり相関がありません。
子どもの頃背が高かった子が、思春期以降背が伸びなかったりすることもあります。
逆に、子どもの頃はチビだったのに、思春期以降ぐーんと成長して、背が高くなる例もたくさんある。
これは、成熟ホルモンの働きなのです。
早い時期(年齢の低い時期)に成熟ホルモンが分泌された子は、そこで骨端線が消滅し、身長は止まります。
成熟ホルモンが分泌される時期が遅い子は、身長は伸び続けます。
すなわち、背の高さは成熟ホルモンが分泌されるまでの「期間の長さ」で決まるのです。

それは「子どもでいられる期間の長さ」と言ってもいいでしょう。
身体が成熟することは楽しいことでもありますが、異性のことが気になったり、恋愛でのトラブルに巻き込まれたり、めんどうなことも多いわけです。
それはそれで青春の味わいってもんですが、気が散ってなかなかひとつのことに集中できないってことでもありますよね。
子どもの時期はそういったことに煩わされない時期でもあるのです。
そして子どもの時期は「学ぶ時期」でもある。
学ぶ期間が長ければ、それだけ多くのことを集中して学べるでしょうから、必然的に高学歴にもなるでしょう。
バブルの頃でしょうか、女性が理想とする結婚相手に「三高」を求めていましたが、あながち迷信でもないのです。

成熟ホルモンの影響で骨端線が閉塞することは、ローワンフーパー『脳とセックスの生物学』新潮社\1500-に書いてありました。


写真は長男はつき君。
幼稚園のサッカークラブに入って、キリリとした表情を見せるようになりました。
どんな子に育っていくのか、楽しみですね~。

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