2010年9月1日水曜日

人生には切ること、捨てることも必要なんだ


こんにちは

毎朝のように書いているこの「ごみメール」ですが、誰彼かまわず送っているわけではありません。
ぼくが知り合った人のうち、ぼくが送りたいな、読んでもらいたいなと思った人にだけ送っています。
たとえ一時でも人生を一緒に歩むに足る「同士」と思える人ですね。

でも、そんなぼくの勝手な思いだけで送っているものです。
中には「関口から変なメールがちょくちょく来てじゃまくさいな。読まずにゴミ箱行きだ。ホンマにごみだよ」と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。
そういう場合は遠慮なく「送らないで」と言ってください。
リストから外します。

横山征次『企画力!ビジネス・プロデューサーになる50の方法』講談社現代新書\700-を読みました。

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良い映画のシナリオは「キャラクターがかぶらない」と言うが、良いチームも同じことである。
明確に一人一人が違った役割を持っていて、それぞれの役割が完璧に果たされることでオーケストラ全体が良い音を奏でるわけである。
逆に言うと、良きプロが参加していない場合、一人でも低いレベルの人間が入っている場合、全体のレベルは下がる。
プロジェクトは相互に影響し合うことでテンションが上がり、出来も良くなっていくわけだが、一人の出来の悪さは完成時の出来の悪さを予想させ、テンションを一気に下げることになる。
ゲームプロデューサーとして「さくら大戦」などヒット作を連発した広井王子さんは「こんな時、プロデューサーのもっとも辛い役割は勇気をもってチームワークを乱す者を遠ざけることにある」という。(53-54p)
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チームでやる仕事は、メンバーのやる気と能力のかけ算なんです。
たとえば5人のメンバーを持つチームの場合、全員が10%だけでもいい仕事をしようと思えば、チームのパフォーマンスは、

 1.1×1.1×1.1×1.1×1.1=1.61

にもなります。
ところが、メンバーの中にやる気のない奴が一人でもいたらどうでしょう。
こいつが本来持っている力の50%しか、チームのために使わないとしたら、チーム全体のパフォーマンスは、

 1.1×1.1×1.1×1.1×0.5=0.73

にもダウンしてしまうのです。
それどころかこいつがまったく何もしようとしない場合、

 1.1×1.1×1.1×1.1×0=0

になってしまう。
なにもしないどころか、全力でチームを邪魔するようなことをするのなら、

 1.1×1.1×1.1×1.1×(-1.1)=-1.61

となり、もはや害悪としか言いようがありません。
一人でも良きプロが参加していない場合、一人でも低いレベルの人間が入っている場合、一人でもチームに貢献しようと思わない人間が入っている場合、チームのテンションが下がり、アウトプットは一気に下がってしまうんです。

だから時には「切る」ことも大切なんです。
志を同じくしない人、役割を理解しない人、意識レベルの低い人、邪魔をするヤツを、きちんと「切れる」のもビジネスプロデューサー、プロのマネージャーの重要な仕事だと思います。
日本は仲良し集団でしたし、学校でも「みんな仲良く」することを正義として教育されるので、切ることができないマネージャーが多すぎます。
それが日本の生産性を下げていることって多いんじゃないでしょうか。

確かに切ることはつらい。
切られる方もつらいでしょう。
恨んだり恨まれたりもするでしょう。
でも、切られないで嫌々仕事をするのもつらいですよ。
嫌々仕事をしても、楽しくないですし、腕も上がりません。
キャリアにならないんです。
嫌々やる仕事は人を不機嫌にします。
不機嫌な人は意地悪になります。
意地悪な人は職場の居心地を悪くします。
職場全体のパフォーマンスはこうして落ちていくのです。

その意味で、きちんと切らないということは、その人を殺してしまっているわけです。
切った人だって、たまたま今の組織に合わなかったということだってあります。
切ることによって、その人がより活きる場を探すきっかけを与える。
その方が愛情ある対応だったりするんです。

切るのは人だけじゃありません。
人生を有意義に過ごすためには、何かを切り捨てねばならないときもあります。
切り捨てるには勇気がいりますが、自分の持つ資源、時間と体力と気力は有限です。
人生とは、自分という有限な資源をいかに活かし、輝かせるものだと思っています。
自分のやりたいことをやるためには、八方美人じゃダメで、時にはバッサリと切り捨てる勇気も、時には必要なんだと思います。

なので、この「ごみメール」も不要な人にとっては切るべき対象です。
無理して「おつきあい」しなくていい。
無理しておつきあいすると、不機嫌になるじゃないですかー。
わざわざ自分を不機嫌にすることもありませんよ。


スパコン本部の事務所として4年半お借りしていた丸の内の明治生命館から引っ越しが完了し、元通りきれいにする工事も終わり、昨日8月末をもって大家さんにお返ししました。
窓から見る明治生命館コリント柱の彫刻や、丸の内の景色ともお別れだと思うと、ちょっとおセンチになりましたよ。

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