2010年10月23日土曜日

アルバイトなんかするな


こんにちは

高校生になると、アルバイトをする生徒もいます。
学校をサボってまでアルバイトに精を出す生徒もいるんですよ。
でも我が家の方針は、

  学生のうちはアルバイトなんかするんじゃない、

です。
もちろん家庭の事情でアルバイトをしないとならない場合もあるでしょうが、たいていはお小遣い稼ぎだったりします。
親の方も自分のすねをかじられるよりは、子どもがアルバイトをしてお小遣いを稼いでくれた方がよかったりします。
また、アルバイトをして自分でお金を稼ぐと、社会の厳しさを体験できて社会性も身に付くから、アルバイトすることはいいことだと考える親や子どもも多いようです。

でもちょっと待ってください。
たいていの学校はアルバイト禁止とまでは言わないでしょうが、アルバイト自粛を求めていると思います。
学校側はなぜアルバイト自粛を求めているのでしょうか。
学生という時代に何をするのが最もよいのか。
その後の人生に有益となることは何なのか。
確かにアルバイトで学べることもあるでしょうが、学業をおろそかにしてもいいのかどうか。
学業とアルバイトを天秤にかけて、どうすることが得策なのか、よく考える必要があります。

アルバイトするより、やっぱり学業で得られるものの方が大であるとぼくは思います。
もし学校で得られることより、アルバイトで得るものの方が多い、アルバイトで学ぶ方が有益なら、スッパリ学校なんかやめて、アルバイトなんて言わずに正社員になって必死に努力するべきです。
責任もない立場で、少々の小金を稼ぐために、貴重な青春時代の時間をアルバイトに費やすのは、どう考えても不合理です。

ある高校の先生は「社会性は学力に付随する」とおっしゃっていました。
つまり、アルバイトで得られる社会性より学業を積んだ方がより高度な社会性が身に付く、と言うのです。
素晴らしい考え方ですね。
斉藤孝さんがよく言っていますが、「学問をすることは、他人の考えを自分の中に受け入れることだ。それも納得した形で。そういう訓練をした人は、現実社会でも他人の考えを聞き入れるチャンネルが形成される。学問をしていない人ほど排他的になり、自分と異なる人たちの声に耳を傾けなくなる」ということだと思います。
それが、社会性の基になるものなのだと思います。

やはりアルバイトは「補助」の仕事でしかありません。
上司、先輩から指示された単純な業務を、ただこなすだけの役割です。
自分で仕事を見つけたり創り出したりするものではない。
そこで得られる社会性も、限定的なものに留まるのは当然です。

また、経済的に言ってもアルバイトは有益ではありません。
公立高校生には年間120万円程度の税金が一人の生徒に投入されています。
私立の高校生にも一人の生徒あたり年間50万円程度の税金が学校に補助されています。
これはある意味「社会的投資」です。
未来の社会を創り出していく人材を教育するために必要だから税金が使われているのです。
きちんと学業を積み、より有能な社会人へと育つことを期待しての投資なんです。
その投資された120万円を反故にして、その時間を時給600円から800円くらいのアルバイト代に変えてしまうのは、まったく釣り合わないものだと思います。
そしてそれは、納税者に対する背任行為であるとも言えます。

中山敬一『君たちに伝えたい3つのこと』ダイヤモンド社¥1429-にこうありました。

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私の場合は父も研究者でしたが、大学時代に私が家庭教師のアルバイトをしたいと言ったところ、

 「小金を得るために大切な学問の時間を削るな。
  今さら高校生の勉強をやってどうする?
  その分の小遣いはやるから、医学の勉強に集中しなさい」

と諭されました。
実際にそうするかどうかはともかく、こういうことを子どもに言うのが、本当の親の務めなのではないでしょうか。(120p)
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かっこいいですねー。
ぼくもしっかり稼いで、我が子たちに「バイトなんかするな。勉強しろ。その方が何倍も得なんだ」と言えるようになりたいと思います。

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