2010年12月25日土曜日

居心地の悪い家がいい


こんにちは

我が家は完全注文住宅。
設計に1年もかけましたからねー。
住み心地抜群ですよ。
個室というものがなく、すべての部屋がつながっているんです。
家全体が一つの空間になっているんです。

その代わり、冬は暖房効率が悪いんですがねー。
今の時期、ちょいと寒い。
でもちょっと寒いくらいの方が、日本の家としてはよいと思っているのです。
夏は家の中は涼しいですよ。
今年は猛暑でしたが、エアコンもあまり使わずにすみました。

我が子たちも今のところ我が家がいいらしい。
大空間なので走り回れるしね。
押し入れに昇ってかくれんぼしたり、いろいろ遊べますから。
溌貴君は来年小学校入学ですが、勉強机も買いませんよ。
ダイニングの食卓で勉強すればいい。
小学生くらいの子どもは、親のそばで勉強したいんですよ。
勉強しているところを見てもらいたい、しっかりできたら褒めてもらいたい。
小学生は個室じゃ勉強する気にならないんです。
小学生くらいまでの子どもにとっては、家の中に常に家族の気配がある方が安心なんですよ。
その意味で我が家は最適な家だと思います。

でも我が子たちが中学生くらいになったら、居心地は悪くなるんじゃないかって思っています。
個室がありませんから、プライバシーなんかないわけです。
中学生にもなれば、自分ひとりで静かに物思いにふけりたくなるはずです。
そうなると、我が家は居心地の悪い家になってしまうのです。
それは必然であって、我が子たちの成長にとってよいことになると思うのです。

藤原和博『つなげる力』文春文庫¥552-にこうありました。

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はっきりいうが、ずっと居心地がよければ、子どもは大人になれないだろう。
成長の機会というものは常に試練とともにあるからだ。(130p)

私は、家も学校も、適当に居心地が悪いほうが子どもたちの自立を助けると信じている。
「負」の体験をごまかしたり、目をそらしたり、きれいにオブラートに包んだりして抵抗力のない人間に育てないでほしい。(131p)
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居心地が悪ければ、早く家から出て行きたくなるでしょう。
出て行くためには自立心が必要になり、いやでも自律しなければなりません。
自活するため、料理をしたり、掃除をしたりする技術も必要です。
もちろん、自分の生活費を自分で稼ぐことができなくてはなりません。
そういう能力は、居心地の悪い家にいた方が開発されると思うのです。
出て行くために、出て行っても困らないように、自分を鍛えるチャンスになるのです。

いつか我が子たちが我が家を出て行く日。
考えるだけで寂しく、かつ嬉しいことですよ。

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