2010年12月28日火曜日

自分は他者が創る


こんにちは

溌貴君と「ダンモデ」を作りました。
ダンモデとは段ボールで作るキット。
1つ500円程度で買えます。
予めカットされているので、木工ボンドさえあればok。
かなり大きいキットなので、迫力もあり、作りがいもある。
小学校低学年くらいの男の子に最適ですね。
ぼくが説明書を読んであげながらですが、溌貴君は独力で作り上げられましたよ。
スバラシイ!

溌貴君は作る過程で、内側に折る、外側から差し込む、など具体的な作業を通して言葉を覚えたようです。
小学生、10歳までは言葉を身に着ける年代だと思います。
それも具体的な事物、具体的な作業を通して、それらと関連させての言葉ですね。
こういう言葉を豊かに身につけないと、抽象語の理解ができるようにならないんです。
抽象語には具体語が10個から100個くらい張り付いているんですよ。
その張り付いている言葉が多ければ多いほど、抽象語を具体的にイメージできるようになり、青年期になって抽象的な思考ができるようになるわけです。
だから幼少期から少年期は、多くの経験、体験を通して言葉を身につける必要があるんです。

『楽しい授業 2010.11』板倉聖宣「アマチュア主義の伝統が生きる時代」にこうありました。

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感動なしに言葉を知っちゃうということは、恐ろしく空虚なことです。
新しい言葉が出てきたのは、その背景に素晴らしいことがあるからです。(95p)
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そうなんです、だから特に男の子には中学受験が向かないんです。
中学受験に向けて小学3年くらいから塾通いを始める。
8歳や9歳の時期に、経験、体験を抜きにして言葉の世界だけを学ばされる。
実体験を伴わない言葉は、何の感動もなしに詰め込まれるわけです。
そういう言葉は上っ面な理解に留まってしまう。
そのうえ、その言葉が生まれてきた素晴らしい背景をも経験することがなくなる。
長い人生から見たら、とても損なことだと思います。

ところでこのダンモデ、ボーイスカウトのクリスマス会でのプレゼント交換でいただいたものです。
こういう機会がなければ、ダンモデなんて商品があることを知ることがなかったでしょう。
知らなければ、作る経験、完成させる感動もなかった。
それは新しい自分の可能性も拓かれなかったってことです。
新しい自分は他者からもたらされるんですよね。
他者からもたらされたもので、自分は形作られていくんです。
だから多くの経験、体験が必要なんです。
ボーイスカウトにも感謝ですねー。

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