2011年1月25日火曜日

試験を楽しめ!



こんにちは

今週末は神戸スパコン施設に設置してきたコジェネレーション発電設備工事の完成試験です。
火力発電所ですよ、れっきとした。
この発電所で作った電気と、排気の排熱から作る蒸気で得られる冷水を使って、スーパーコンピュータを動かすんです。
先週末出来具合をチェックしたのですが、なかなかよい出来です。
ワクワクしますねー。

ぼくは発注者側の監督員ですので、実際に施工をしたわけじゃありません。
でも工事の出来不出来は監督にも大きく左右されるものだと思っています。
野球だって、優勝したチームは選手だけでなく、監督も褒め称えられるじゃないですか。
選手よりむしろ監督の方が評価されたりします。
今週末の完成検査で、いい結果を出せれば嬉しいですね。

ぼくは試験というものは本来楽しいものだと考えています。
それは自分の有能さを確認したりアピールしたりできるチャンスですから。
逆に、自分の有能さを確認したりアピールするために試験を「利用する」と言った方がいいかもしれません。

子どもの頃から学校でたくさんの試験を課されます。
この試験をただただ受け身で受けていたのではいけません。
試験で悪い点数ばかりとっていたら、試験はツライものにしかなりません。
だから試験はいい点数をとるために受験するのです。
つまり試験の日までにいい点数を取れるように自分を持っていくことが大事です。
積極的に試験を利用するんです。

時に悪い点数を取ることもあるかもしれません。
いつもじゃなく時にだったらそれほどへこみません。
むしろ、「自分の弱点を教えてくれてありがとう」という気持ちになれます。
次への目標を与えてくれます。
だから悪い点数だって役に立つ。
いい点数を取るにも悪い点数を取るにも、とにかく試験を受けなくちゃ。

日垣隆『父親のすすめ』文春新書\710-から引用します。

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仕事を仕事として成立させる二つの要素は「依頼」と「締め切り」です。(略)
仕事の前段階として宿題や試験がある、という事実をここでしっかり確認しておきましょう。
宿題には「締め切り」があり、試験は「一定範囲の課題をインプットして特定期日にアウトプットして評価を受ける」という、ほとんど「仕事」の一歩手前の内実をもっているのです。
学生時代の試験を莫迦にしてはいけない理由も、ここにあります。
試験突破力は、総じて仕事能力の基礎になるからです。(124p)
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そう、試験や受験はただ自分が試されるものじゃないんですよ。
誰かに試されていると思うから、緊張するしツライ。
試験も自分を高めるための一つの「仕組み」なんだと思うことが大事。
それは将来仕事に就いたときに必ず役に立つスキルとなっていくんです。

日垣さんはこうも言います。

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成功体験は、絶対的にあったほうがいいことだからです。
それは、小さな努力が報われる、という体験です。
この成功体験が積み重ねられてゆかないと、「だめな自分」という思い込みから脱することができません。
「だめでない自分」をイメージすることができず、したがって脱出法がまるでわからない。
小さな成功体験が積み重ねられないと、自分を含めた能力の数々は、すべて所与のもの妥当誤解から自由になることができません。
「あの子は頭が良い」から何かができるのだと思い込み、「自分は頭が悪い」から勉強もできないのだ、と本気で信じ始めてしまいます。
頭が良い悪いというのは、もちろん学校ごときの成績や点数とはストレートに比例しません。
周りを見渡してみれば、すぐに気づくでしょう。
頭の良さは一般に、「未知のものに対する判断の的確さと速さ」として表現されます。
既知を相手にする学校の勉強とは違う。
けれども、学校での勉強が必要ないかと言うと、天才でないかぎり、そんなことは絶対にありません。
未知のものに対する判断力を鍛えるには、既知のもので訓練するほかないからです。
学校での勉強、とりわけ定期試験や受験は、この点で重要な役割を担っています。
おおむね20代前半までは一人前として通用しないとされる近代社会のなかで、試験は、成功体験を着実に育む貴重な教育装置だからです。(163-164p)
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中学校や高校の定期テストなどは試験範囲が明確ですから、その部分をきっちり勉強すれば必ずいい点数をとれるものです。
努力をすれば必ず報われるのが、定期テストです。
こういった小さな努力と成功を積み重ねていく。
それが自信を生み出し、より困難なものへチャレンジしていく準備になっていく。
そういった努力と成功の積み重ねは、社会人になっても役立つんですよ。
こういう便利で有効な「教育装置」を活用しなくちゃいけません。

積極的に活用するには、待っていてはダメ。
常に予習を怠らず、先取りし、前倒しで取り組んでいく。
宿題や試験はそうやって活かしていくものですし、そうやって楽しくしていくものなんです。
受け身じゃいけません。
学生時代にそういった訓練を続けて、小さな自信を積み重ねて、自分で自分を褒められるような人間になる。
そういう人になれば、就職氷河期も関係ありませんよ。
必ず必要としてくれる会社があるし、その中でも楽しく活躍できるようになれるはずです。
だから、試験を楽しめ、なんです。

そして来週は播磨研究所の会計検査です。
ぼくも試験が続きます。
積極的に楽しんでいきたいと思います!


写真は和光キャンパスに建設中の脳神経回路遺伝学研究棟。
なかなかいい感じに仕上がってきました!

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