2011年5月12日木曜日

トラブルはすぐ直せ!




こんにちは

昨日、我がスタッフのひとりからメールが送られてきました。
設備のトラブルの報告でした。
空調機の加湿用蒸気管から漏れが発生している、という報告。
メールには、当該部分の写真を撮って、コメントを書き加えて、さらにpdfファイルにしたものが添付されていました。
ご丁寧にどうも。

彼に、このトラブルはいつ発生したのか、と問いました。
するとすでに数日が経過しているって言うじゃありませんか。
彼はぼくの席のすぐそばに座っています。
同じ仕事をするスタッフ同士なんだからあたりまえだね。
ならわざわざメールで報告しなくても、加えて書類を作成したりしなくても、すぐぼくに言ってくれればいいのに。
二人で現地を見に行って、対策を決めて、即手配した方がいい。

ぼくに必要なのは、トラブルをすぐ直すってことなんです。
書類で報告して欲しいわけじゃありません。
うまくいってれば書類なんかいらないんですよ。
すぐ直しちゃえばわざわざ報告文書を作成する必要はないんです。
うまくいかない場合に、「言い訳」のために書類を作るんです。
書類の多い組織は、死んだ組織です。
言い訳だらけってことだからね。

彼からも施工業者に手配済みとのことでしたが、まだ直しに来ていないということは下っ端に連絡したんだろうと思い、ぼくからも施工をした責任者に連絡。
来週火曜日までに是正するよう依頼しました。
建築工事は基本的に「手作り品」です。
多少の初期不良はあってあたりまえ。
すぐ直せばそれでいいのです。
書類を作っている時間ももったいないですしね。

よのなかにはトラブル対策に駆けまわっている人も結構います。
毎日忙しそうに、トラブルを直してまわっている。
確かに一生懸命やっている。
でもぼくはそういう人をあまり評価しません。

山田咲道『ダメ上司論』日経プレミア¥850-から引用します。

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「いやあ、今日もトラブルをいっぱい処理して大変だったなあ」
と働いているつもりの人は、仕事を誤解しています。
トラブル処理は基本的に付加価値を生みません。
トラブル処理の時間を前向きな業務に使えれば、売上と利益は上がります。
時間コストという側面から考えれば、会社にとっての損失は2倍以上です。(49p)
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前向きの仕事って何でしょうか。
実は、前向きの仕事はやってもやらなくてもいい、仕事なんですよ。
トラブル対策のような後ろ向きの仕事は、逆に絶対にやらなくちゃならない仕事。
でもそこで生まれる価値がまるで違う。

後ろ向きの仕事は、現状維持のために行われるものです。
トラブルも解決しちゃわないと現状維持ができなくなっちゃうでしょ。
だから絶対にやらなくちゃいけない。
でもやったからといって、新たな価値がそこから生み出されることはないんです。

それに比べて前向きの仕事は、たしかにやってもやらなくてもいいし、やらなくてもすぐに今現在より悪くなるわけじゃありません。
現状は維持されるわけです。
けれどもやったら絶対に進歩する。
自分を、会社を、社会を進歩させることに繋がるんです。

だから、前向きの仕事をするために、自分の能力と体力と時間を確保しなくちゃいけないんです。
新しい価値を生み出す仕事こそ「仕事」と呼ぶに値するものだと思うのです。
トラブル対策のような後ろ向きの仕事は、仕事と呼ぶにはおこがましいものだと、ぼくは考えているのです。
トラブル対策みたいなことに長時間拘るのはもったいないんです。
トラブルはすぐ直せ、そして価値ある仕事に自分の時間を振り向けよ、なんです。


大阪科学技術館でやったサイエンスカフェの様子。
これも、やってもやらなくてもいい仕事の一つ。
ばっちり価値を生み出してますよー。
そもそも「研究」なんてやってもやらなくてもいい仕事の代表格ですよね。
だからやらなくちゃいけないんです!

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