2011年7月13日水曜日

淡々と生きる


こんにちは

関口さんって、毎日美味しいお店をさがしまくってるのかと思いましたよ!

ぼくが毎日決まりきったものを自炊で食べているって話をした時です。
そうスタッフの一人に言われました。
ぼくは好奇心旺盛で個性的な人間のように見えるから、食べるものもあれこれ好奇心発揮しまくっていると思われていたんでしょう。
たしかに神戸は美味しいお店がたくさんありますからね。
でもそんなことをする財力はありませんよ。

ぼくの単身赴任での日々の暮らしは単調です。
ぼくは朝昼は食べない(野菜ジュースだけ)ので、夕食だけ。
その夕食はご飯は自分で炊いていますが、おかずは買ってきます。
メニューは毎週同じなんです。

月曜日=レトルトカレーとサラダ、火曜日=神戸水野屋のコロッケとサラダ、水曜日=王将の餃子とサラダ

いつも同じメニューって、らくちんなんですよ。
今晩何食べようか、って考えたり、悩んだりしなくてすむ。
メニューを考えることだって、けっこう頭に負担をかけるのです。
よく主婦のみなさんは、晩ご飯のメニューを考えるのが大変だと言います。
主婦が感じるストレスの大きなものが、このメニューを考えること。
それで亭主や子どもに「今晩なに食べたい?」と聞きます。
で、「なんでもいいよ」なーんて答えられると、ますますストレス。
実を言うと亭主の方も、女房から「なに食べたい?」と聞かれることがストレスになっているそうなんです。

だから主婦の方々も、日々のメニューを決めちゃえばいいのです。
月曜日はこれ、火曜日はこれってね。
毎週毎週同じでも、亭主や子どもはそれほど文句は言わないと思いますよ。
得意な定番メニューが10くらいもあれば、それを繰り返すだけでいいんです。
毎日毎日違うものを作ろうとするから迷うし、ストレスにもなるのです。

で、月に1回くらいは新しいメニューに挑戦してみる。
料理本を見て、家族が喜びそうなものを作ってみるんです。
美味しくて家族が喜んだのなら、それを定番メニューに加える。
ダメなら二度と作らない。
それでいいと思います。

さてさて、こんな感じなので、1日に使うお金は1000円以内で収まります。
1週間の生活費を1万円と決めていますが、楽に達成できますよ。
木曜日はコインランドリーに洗濯しに行くので、その待ち時間に銭湯に行ったり、外食したりします。
木曜だけは三宮近辺で安くて美味しい店を探して食べ歩きます。
ちょびっと贅沢するんです。と言っても1000円から2000円の範囲ですがね。
そして金曜日は家族の待つ家に帰ると。

というわけで、日々の暮らしはいたってシンプル。
淡々としたものです。
でもこうすると「疲れない」んですよ。
やっぱりいつもと違うことをするって、楽しいけど、疲れます。
旅行に行って家に帰ると、大抵の人は「あー疲れたー、やっぱり家がいいねー」と思います。
旅行は非日常ですから、心も体も疲れるんです。
時々非日常的なことをするのは楽しいことなんですが、普段はできませんよ。
心身がその負担に耐えられないんです。

内田樹『最終講義』技術評論社¥1580-にこうありました。

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ケーニヒスベルク大学で教えていた頃、イマヌエル・カントは毎日決まった時刻に決まった道筋を散歩していたそうです。
あまりに時間が正確なので、散歩の通り道にある家では、カントの姿を見て時計の狂いを直したという逸話が今日に伝えられています。
わが身を大哲学者に引き比べるのがまことに僭越至極であることは重々承知しておりますが、僕にはカントの気持ちがわかります。
「それ以外の条件をすべて同じにしておく」というのは、脳内でふっと未聞のアイディアが沸き上がってきたときに、それを取り逃さないために必須の心得だからです。
天文学者が彗星を探すときに、毎日、同じ時刻に、同じ方位の星座を撮した写真を重ねてみるのと同じで、「それ以外の条件が全て同じ」であるときにだけ、わずかな変化は検出できる。
知的な活動においても同じです。
昨日は脳内に存在しなかったアイディアをその萌芽状態においてとらえるためには、それ以外の生活条件を全部同じにしておくに如くはない。
規則正しい生活をするのが、脳内麻薬物質の大量分泌をもたらすためには、最も効果的なんです。(68p)
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なるほどなるほど。
毎日決まりきったことをすると、自分の中のわずかな変化も検知できるようになるんですね。
それは淡々とシンプルに生きることによって、心と体に余裕ができるからなんだと思います。
その余裕に新しいものが芽生えてくる。

規則正しく生きることが、逆に個性的になる王道なんですよ。
自分とは自分自身にとって最大のリソースであり、それは有限なもの。
人生は自分というリソースを最大限使って、輝かせるものだと思っています。
だから無駄に使ってはいけない。
淡々と生きると無駄を省くことができる。
その分、心身に余裕が生まれ新たなこと、自分にしかできないことができるようになるんです。
結果として個性的な仕事を残せるんだと思います。


神戸のアパートにようやく天井照明を取り付けました。
裸電球だけどね。
白熱球の寿命は1000時間。
早寝早起きして、2年間の単身赴任期間中の点灯時間は1000時間未満にするぞー。
ってケチなだけ??

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