2011年9月13日火曜日

性格はばい菌が決める


こんにちは

この夏我が子たちは「とびひ」の洗礼を受けました。
はっちゃんがキャンプから帰ってなり、とんたんに遷り、再びはっちゃんがなる。
二人とももう直りましたが、未だかさぶたのあとが痛々しい感じです。

とびひの原因菌は黄色葡萄状菌など、皮膚表面に普通にいる常在菌です。
このばい菌はふだんはおとなしくしていて、特に悪さはしない。
ところがいったんとびひになると、猛烈な勢いで増えていきます。

ばい菌もバラバラに孤立して存在しているときは、毒性のある物質を分泌しないんだそうです。
細菌は一つの場所で増殖すると、バイオフィルムという膜状のコロニー(集団)を形成します。
バイオフィルムの中には、液体を輸送する管のようなものも形成されます。
その管を伝わって、細菌同士がつながるんですね。
そしてばい菌がある程度増殖すると、一斉に毒性のある物質を分泌し始めるのです。
それはばい菌同士がちゃんと情報を交換していて、自分たちの仲間がどのくらい増え、どのくらいの効力を持つようになったか把握しているんです。
こうなると、普通の常在菌だったばい菌が悪さを始めるんです。

とびひは、かゆくてひっかくところから広がります。
なぜかゆくなり、ひっかいてしまうのか。
それはばい菌が人間をコントロールしているとしか思えません。
自分たちの仲間を増やすために、皮膚を壊し栄養ある細胞液を出させるために、かゆみ成分を分泌する。
ひっかかせ、その指先を利用して新しい場所へと移っていく。
そういう戦術なのかもしれないと思いました。

藤田紘一郎『こころの免疫学』新潮選書¥1,000-にこうありました。

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さらに、人間の性格を決めているのも腸内細菌だという説がある。
『腸内細菌の話』(岩波新書)、『人の健康は腸内細菌で決まる!』(技術評論社)などの著書で知られる光岡知足・東大名誉教授によれば、「人の性格を決めるのは腸内細菌」だという。
同じ病院で、ほぼ同時期に生まれた子どもを追跡調査したところ、兄弟よりも性格が似ている例がしばしば見られる。
これまでの常識では、人間の性格は主に遺伝子で決まり、環境や社会の影響はむしろ少ないとされてきた。
しかし、光岡教授は遺伝子よりも腸内細菌のほうが決定的な役割を演じていると述べている。
赤ちゃんは、胎内感染などがない限り、無菌状態で誕生する。
そのため、同じ病院でほぼ同時期に生まれた子どもたちは、ほぼ同じ腸内細菌を持ち、その影響が生涯にわたって続くというのである。(50p)
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びっくりしますねー。
最近の研究で、脳で働くドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質の基になる物質も、腸内細菌が作っていることがわかってきています。
つまり、人間の感情、思考も腸内細菌がコントロールしているのかも。
性格とは、一定期間継続する行動様式です。
腸内細菌の生存にとって有利なように、宿主である人間の行動様式を決めてしまう。
もしかしたらそうなのかもしれないんです。

はっちゃんととんたんは、ふたりとも我が家の同じ部屋で生まれました。
でも性格は結構違うみたい。
生まれる年や季節によっても、そこにいる細菌は違うのかもしれません。
子どもたちのおならの臭いをかぐと、はっちゃんのおならはぼくのおならに近い臭い、とんたんのおならはお母さんに近い臭いがします。
はっちゃんの腸内細菌はぼくからうつった、とんたんはお母さんからうつったのかもね。
ということは、はっちゃんの性格はぼくに似て、とんたんはお母さんに似ているのかも。
面白いですねー。

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