2012年2月22日水曜日

プロになるための1万時間 その2

こんにちは

プロになるまで1万時間、と書いた。
例えば研究のプロになる大学院生。
博士課程5年間=1825日である。
10000時間÷1825日=5.5時間である。
毎日5時間半、自分の好きな学問に没頭すれば、大学院満了までにプロになれるという計算である。

日曜日を完全に休みにしたとしても、1日6.5時間である。
十分こなせる時間である。
もちろん本当に好きな学問であれば、1日5,6時間なんて言わず、12時間くらいはへっちゃらであろう。
こういう学生は院生時代にも優れた研究をしてしまうものだ。
だって在学中にプロになってしまうわけだから。

大学院生なら5年間でプロになれるかもしれない。
けれども普通のサラリーマンでは難しいのではないか。
好きな事だけやれるわけではないからだ。
たとえ毎日1時間、好きな事をやり続けたとしても、プロに到達するには

 10000時間÷1時間/日=10000日=27年

もかかってしまう。

大卒で就職したのなら50歳にならんとする年齢になってしまう。
これではプロとして活躍できる期間が短すぎるのである。
どうしたらよいのだろうか。
それならプロなんかになろうなんて、無理な努力はしないほうがいい、ということにもなる。

毎日1時間だってその時間を確保するのは大変だ。
仕事上の付き合いもある。
家庭を持てば家族サービスだってしなくちゃならない。
とても毎日1時間の勉強時間を確保するのは無理そうだ。
週3日勉強できたらいい方だろう。
週3日だと1万時間に到達するには63年。
こりゃ諦めたほうがいい。
そう思って当然だ。

ところがさにあらん。
3000時間を超えたあたりから、じわじわと状況が変わってくるのだ。
3000時間を超えると、なんとなく得意分野がアピールされてくるのだ。
上司、同僚にも伝わるんだね。
すると、自分の好きな仕事、あるいはそれに近い仕事が廻ってくるようになる。

好きな事は得意なこと。
好きこそ物の上手なれ。
上司や同僚だって、あいつにやらせれば早くて良い品質でやってくれるとなれば、優先的に仕事を廻すものだ。
経済合理性があるからである。
こうなると、仕事=勉強となる時間が増えてくる。
相変わらず雑用も多いだろうが、好きな事を勤務中にもできるようになってくるのだ。

そのような状況になるまで3000時間である。
毎日1時間やれば8年あまり。
大卒なら30歳になるころである。

1日3時間、好きな分野の仕事ができるとする。
自分でやる1時間を加えて4時間。
残り7000時間を5年でこなせる計算だ。

そう理想的には行かないだろうが、10年もあれば1万時間に到達するであろう。
この時点で40歳である。
会社での地位も上がっているはずだ。
裁量も多くなっているだろう。
プロとして活躍できるお膳立てが揃っている。
しかもまだ40歳、体力も気力もある。
活躍できないわけがないのだ。

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