2012年3月14日水曜日

情報を発信せよ!

こんにちは

昨日は、空気調和衛生工学会近畿支部学術研究発表会に参加。
大阪大学中之島センターで行われました。
大阪大学のサテライトですね。
寄付で建てられたものだそうです。
さすが、天下の阪大!

さて、この研究発表会は初めての参加でしたが、学生さんの発表練習会みたいな場でした。
出席者のほぼ9割が、近畿地区の大学院生と教官という感じで、実務者はほとんど出席していない。
今ぼくが困っていることについて発表しましたが、有益なコメントをもらうことができませんでした。
発表自体もイマイチうけなかったしー。
またも「場違い」??

気をとりなおして、なるべく学生さんの発表に質問するようにしました。
質問することによってぼく自身が勉強になるし、少しでも学生さんにも役するといいなーと思って。
質問率70%くらいだったでしょうか。

で、学生さんの発表ですが、前提条件が現実的ではないのが多いですね。
いちおう、「工学」の研究なんだから、何かに役立つものが欲しい。
特にシミュレーション研究は、計算しやすさを優先してしまって、前提条件が非現実的になっちゃってるような気がします。

ぼくはシュミレーション研究があまり好きではありません。
なぜなら安易に計算しすぎている。
コンピュータに計算させれば研究になると思っているようなものが多いから。
きっと教官も、大勢いる学生に研究テーマを与えるのがラクだからでしょう。
コンピュータの使用コストも安くなったしね。

それと統計処理が不適切なのも多かった。
サンプルが少なすぎるとか、異なる母集団からサンプリングしたり、有効回答率から確からしさを求めてないとか。
工学系教育でも、しっかりとした統計学の教育がなされていないように思いました。

そんな訳で、学生さんにとってちょっと意地悪みたいな質問もしたんですよね。
で、残りの3割は質問するのもかったるいほどの研究。
こういう研究にコメントしても自分にも学生さんにも役立たないと思うからね。

休憩時間に学生さんたちが雑談しているのが聞こえました。
「つっこまれなくてよかったねー」
「おのおじさんも質問しなかったもんねー」
だって。
おいおい、どうして突っ込まれなかったかわからないのかよー。
あはははは。

どうも学生さんは、批判されないことを「良し」としているようなんですね。
永井孝尚『残業3時間を朝30分で片付ける仕事術』中経出版¥1300-にこうありました。

###
「自分の考え方を情報発信する」とは、「批判を受け入れる覚悟を持つ」ということです。
そして、実際に「批判を受け入れる」ことで、成長につなげられます。(略)
私たちビジネスパーソン一人ひとりが、実名で、責任を持って情報を発振し、自分たちが仕事を通じて得た経験や知見をもっと社会全体で共有することで、日本は必ずいい方向へ変わっていくと思います。(202p)
###

研究とは、あたりまえですが今までになかった考えを含んでいます。
その意味で、現状を「批判」したものなんです。
だから必ずそれに対する反発が伴う。
それを得る場が学会だったりするんですよね。
学会では必ず実名で発表したり、論文を書いたりする。あたりまえですが。
それは、いつでも批判を受け入れるますよ、という意志なんだと思うのです。

そこが、ネットの匿名での掲示板と違う。
だからネットでの匿名発言は、自分は非難するけどオレを非難するな、という卑怯なものなんです。
批判を受け入れることを拒んでいるわけですから。
そこには責任も成長もありません。

論文、学会発表だけじゃありません。
ツイッターでもフェイスブックでもブログでも掲示板でも実名で発信する。
批判されるかもしれませんが、有益な情報を得るチャンスも増える。
結局は実名で発言、発信する方がオトクなんだと思っているのです。

0 件のコメント: