2012年6月28日木曜日

博多で講演します

こんにちは

明日は博多でエンジニア向けの講演をします。
すでに満席(300人!)とか。
しみ~。

http://www.nikkan.co.jp/j-forum/thunder/#kyushu

2012年6月27日水曜日

6月の給料、減ったよね。。。

こんにちは

今月の給料。
あれ?って思った人も多いでしょ。
手取額が明らかに減ったんです。
なぜ?

それはこういう理由。
http://www.j-cast.com/2012/06/26137136.html
去年から子どもの扶養控除がなくなっていたんですね。
住民税は1年遅れでやってくるので、昨年の住民税がかかってくる今月からそれが反映された。
住民税は(たいてい)所得税より率が高いので、目に見えて手取りが減ったってわけです。

一方で子ども手当など少子化対策をし、一方で子どものいる世帯の増税をする。
子どもを増やしたいのか、増やしたくないのか、どっちなんじゃい。
子ども手当を実施するために、子どものいる家庭の増税したんだと、ただただ行政の手間だけ増やしたって感じですね。
どうなってるんだろ。

行動経済学の研究で、報酬が少し減ったのを意識すると、労働者の勤労意欲は著しく減退することがわかっています。
これから消費税アップもありますし、現政権になってから勤労意欲を削ぐような施策ばかりですなあ。

現政権は「まだまだ埋蔵金はあるんだ」と言って政権を取りました。
埋蔵金はぼくら国民のことだったんですね。げんなり。。。

2012年6月26日火曜日

再び世界一へ!

こんにちは

昨日、こんなニュースが流れました。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120625-00000537-san-soci 
おお!富士通さん、やるねー。
どういう算段なんだろう。
わくわくしちゃいます。

実を言えば、「京」の技術を使った富士通の現状の新鋭機FX10というスパコンは、最大20ペタフロップスまで構成することができます。
今世界一のセコイアと同じです。
しかも、FX10の実行効率は90%以上出ますから、セコイアの実行効率80%より高い。
よって、LINPACK性能18ペタフロップスになって、セコイアの抜けます。

でもね、このくらいの性能差で世界一になっても仕方ないですよ。
実用上の必然はない。
16ペタマシンと18ペタマシンでは、やれるサイエンスに変わりはないからね。

やるなら少なくとも2倍、できれば10倍くらいの性能を目指した方がいいんです。
富士通さん、がんばって!!
楽しみ~!

2012年6月24日日曜日

簡単にあきらめない

こんにちは
 
ぼくの職場は、たぶん日本でもダントツに頭のいい人を雇用している会社でしょう。
一流大学卒、それもそれぞれの学校で上位10%以上、博士号取得。
そういう人を観察するに、そりゃーとんでもなく頭の切れる人もいますが、三流大卒のぼくが言うのも申し訳ないんですが、あはははは、大部分の人たちは切れるというほどじゃない。
では彼ら、彼女らはどうやって一流大学をトップクラスで卒業し、科学の殿堂である我が社に入社できたのか。
 
それは「とてもしつこい」ということ。
ちょっとやそっとではあきらめないんですよ。
知的にタフなんですね。
そこが、ぼくのようなボンクラと違います。
 
しつこく、あきらめないという態度が成果を生みます。
たいがいなことは、やり続けていればいつかは成功しちゃうんです。
もちろん、やりながら悪いところは直し、方向が違っていたら微調整は必要ですよ。
こういう試行錯誤も、あきらめずにシツコクやり続けるからこそ、生まれるんです。
 
どうしたら、そういう人に育つんでしょうか。
やはり、親と教師の態度でしょう。
子どもの将来を簡単に見限らないことです。
能のない教師は、早々と見限ります。
だって、めんどうだからね。
親もそう。
子どもにやり抜かせるには、親も相当な労力を覚悟しなければいけません。
そこまでやって子どもを伸ばすより、自分の面倒くささを優先してしまうのです。
 
蔭山英男氏もこう言っています。
 
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前任校のある卒業生は、
「ぼくらは、あきらめたいのに、先生だけがあきらめなかった。だからやれたんだよね」
と苦笑していました。
粘り強く働きかければ、道は開けます。
やり遂げたという達成感をぜひ親子で味わってください。
(『欠点を長所にすると学力はグーンと伸びる!』小学館\1200-、34p)
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あきらめずにシツコクしぶとくやり抜くこと、そこまで引っ張り上げること。
それが子どもに、やり続ける習慣を身につけさせることになる。
ぼくはそう思っているんです。

2012年6月22日金曜日

糖質制限食、順調!

こんにちは

毎週木曜日は洗濯日。
コインランドリに洗濯物を突っ込んだら、洗濯機が回っている間、銭湯に行きます。
本を読みながらゆっくり湯につかる。
今日の本は『スカイクロラ』森博嗣を読破。
ああ、極楽、極楽。

風呂上がりに体重計に乗る。
おお!78.5kg!!
順調、順調!
糖質制限食開始からほぼ4ヶ月。
確実に成果が出てますね-。

目標は20歳の時の体重です。
えっと、73kgだったかな。
身長は175cmなので、若い頃もちょっと小太りだったわけでー。
 こうなったら、標準体重68kgを目指しちゃおうかな-。

というわけで昨夜は、焼き肉食べ放題に行きました。
週1度は糖質制限食デラックスなんです。
60分食べ放題、¥2310-。
肉の種類も豊富で、満足、満足。

さて、今日1日がんばれば、家に帰れる!

2012年6月20日水曜日

プレゼンの極意

こんにちは

先日のサイエンスカフェ。
定刻通りに終了したことがスタッフのみなさんにはオドロキだったらしい。
ぼくは「定刻主義者」なんだってば!
おかげで、打ち上げのお店の予約時刻まで手持ち無沙汰になっちゃったりして。。。

たいていの講師は定刻を過ぎてもしゃべりたい内容全部が終わるまでやめないらしい。
おいおい、誰のために講演してるんだ?
その原因はたぶん、パワポにたくさん文字を書き並べているからだ。
プレゼンがへたくそな人に限って、パワポに全部書き込んじゃうんだ。
学会で未熟な学生さんの発表なんか、論文集の文面をそのまま貼り付けているだったりして。
それもちっこい字で、1画面に原稿用紙1枚分くらい文字が並んでいる。
そうすれば、自分の言いたいことを忘れることがなくなる、と思っているんだろう。
でもそれじゃ、聞いている人に理解されないって。

ぼくはパワポに写真やどでかい文字ばかりなので、時間は話す内容と量で調整可能。
とえらそうに言ったが、鳥取でのカフェの時は20分超過しちゃった。
それは、途中ティータイムが15分くらいあることを知らなかったの。そ
れと、主催者の足利先生が楽しく乱入してきて。あははは。
ま、それも楽しかったけどね。

学校にも電子黒板が導入されてきた。
だが、使い方を間違えてはいけないよ。
電子黒板にたくさん文字を書いたデータを映し出す先生がいる。
そしてそれを読み上げる。
子どもはぼーっとしたまま。

たぶん、この先生は「板書はめんどう。だからパソコンで書いちゃえ」なんでしょう。
これはいけません。
子どもより自分を優先した仕事のやりかた。
本末転倒。

電子黒板は現代版「掛け軸」と思いなさい。
絵や図を提示するもんなんです。
文字はやっぱり板書していくものだと思います。
少しずつ、授業の流れに沿ってね。
あらかじめデータに書き込んだ文字は、子どもの頭の中に入っていきません。

ちなみにぼくも、パワポなどでプレゼンするときもこれに気をつけています。
文字は極力少なくしています。
画面は写真、図、表を大きく映し出し、その説明は口頭で行う。
それが正しいプレゼンです。

そして、楽しそうにしゃべること。
これが一番、聞く人に伝わるんです。
優秀な人は、難しいことを楽しそうに話し、聞いている人に夢を与える。
だめな人は、自分の仕事を大きく見せようとして小難しく話し、眉間にしわを寄せ苦労話をする。
聞く人をげんなりさせる。

サイエンスカフェはりま 愉快!

こんにちは

先週末、姫路でサイエンスカフェをしてきました。今回もばか受け!
約30名の参加者、親子連れも多し。
会場は熱気ムンムンですぜ。

ぼくのサイエンスカフェは、自分の手と頭を使って「参加」すること。
予想して、そして実験する。
だから興味がわく。わくわく。
 
大人もけっこう夢中になりますよ。
知らないことを知る喜び。
子どもに戻ったみたい。
なぜか、おばちゃんたちがオオウケで、ぎゃはぎゃは笑ってました。
まあ、楽しいってことでしょー。

今回のサイエンスカフェのテーマは「形が変わると働きも変わる」というもの。
本と本の間に、紙を橋のように渡して、そこにコインを乗せていくんです。
コインを何枚乗せると橋は崩れてしまうでしょうか、って実験。
1枚の薄い紙でも、ちょっと折るだけですごく強度が増します。
同じ材料でも、ちょっと工夫を加えるだけで、すごく強くなるんです。 これはびっくりしますよ。感動します。

それが「技術」ってもんの本質。
その技術はいろんなところで使われています。
橋にも建物にも。
それどころじゃなく、細長い板を織り上げるだけで空も飛ぶようになります。
ということで、プラトンボ作りも楽しみました。

朝日新聞の取材もありました。
記者さん、「ちょっと写真を撮って帰ろうと思ったんですが、面白くて最後までいちゃいました」だって。
新聞に載せてくれました。地方版だけどね。
それにしても夢中で実験する子どもたち、そしてそういう我が子を見るお母さんの表情もすてきです。 

約2時間の内容ですが、集中が途切れずに進められました。
最後にはお楽しみ「おやつ作り」です。
カルピスゼリーを作りました。
不思議な食感でなかなか旨い。
子どもは当然大喜び、大人も嬉しそうに食べてました。
これも、形が変わると働きが変わるってことでー。

最後は、ぼくも執筆させてもらっている理科の本をプレゼント。
ついでにサインもどーぞ。
1、2年生には3,4年生向きの本を、3,4年生には5,6年生向きの本を、5,6年生には理科の先生向きの本をプレゼントします。
ちょっと背伸びして勉強するのがいいんですよ。 

大盤振る舞いですが、それで理科マニアが増えるなら、安いもんです。
で、プレゼントした本を読むことをきっかけとして、どんどん高級な本を読むようになったという後日談も届くようになり、回り回って我が国の、そしてぼくにとってもオトクになるんです。

そして、ぼくの一番伝えたいことは「好きなことをとことんやりなさい」ってこと。
好きなことをやれば、どんどん頭がよくなります。
そして不思議なことに、好きなことをやっていると嫌いなことがだんだん減っていくんです。
でも、嫌いなことばかりやっていると、好きなこともなくなっちゃうんです。
もっと悪いことには、性格も悪くなる。と言ったら、大人の方々大爆笑!

皆さん、ご来場ありがとうございました!ぼくも楽しかったですよー。また会いましょうねー。

2012年6月18日月曜日

「京」世界一の座を譲る

こんにちは

本日ISC12において、新しいスパコンランキングtop500の発表がありました!
http://www.top500.org/list/2012/06/100


予定通り、予想通りアメリカのセコイヤが完成し、16ペタで1位になりました。
我が「京」は世界一の座を譲り、2位になりました。
アメリカのスパコンは国家の威信をかけた国防技術です。
きっちりと作り上げたって感じですね。

ISCに行っている同僚からの情報によると、セコイヤのLINPAC測定時間は23時間だそうです。
「京」の30時間に比べて短い。
ということは、規模の小さい問題を解いた、ということを示しています。
また、セコイヤの実行効率は80%程度のようです。「京」は93%。

LINPACKにおいては抜かれたけど、まだまだ「京」のアドバンテージは残っていると思っています。
まもなく供用開始運転を始めますが、ガンガン使ってもらい、じゃんじゃかいい研究成果を生み出してもらいたいと思っています。

2012年6月15日金曜日

明日、姫路でサイエンスカフェ開催!

こんにちは


明日、姫路のちょい奥でサイエンスカフェやります。
飛び入り歓迎
お近くの方はぜひどうぞ!

http://scicafeharima.iinaa.net/event/120616.html

専門バカになれ!

こんにちは

まだ学生なのに「ゼネラリストになりたい」と言う若者がいる。
人生間違っちゃいけないよ。
君にはまだ早い。まずは「スペシャリスト」を目指すべきだ。

まだ若いうちからゼネラリスト云々言うのは、要するに勉強したくないだけなんだな。
スペシャリストになるにはかなりの勉強が必要だ。
努力も必要だ。
それよりも広く浅くの方がラクだと思っているんだろう。

専門バカという言葉があるが、若い頃は専門バカでいいのだ。
専門さえ極められない者は、「専門もバカ」になってしまう。

どんな時代、状況であっても社会に必要なのは「あいつがいなければこの仕事はできない」というスペシャリストなのである。
広く浅くだけの人物は、他にも替えがいる。

何でもできるということは、何もできないことと同じだ。
もちろん、広い視野を持って全体をマネジする人材も必要だろう。
それはゼネラリストの仕事だ。
でもそういう仕事は決して若者に任せられることはない。

ゼネラリストの仕事は、広く深く掘った者が経験を重ねた後に任せられる仕事なのである。
つまり、スペシャリストとして十分活躍した経験を持つ者だけができる仕事なのだ。
世の中をよく見回してみたまえ。
マネジメントの仕事をしている若者は滅多にいない。
ほとんどいない。
まったくいない。

では、スペシャリストになるにはどうしたらいいか。
それは今やっていることを一生懸命やることだ。
学生なら、学校での講義を懸命に受ける、卒業研究に没頭する。
若い社会人なら、今の仕事に没頭する。
そうやって専門性を身につけるのが、一番合理的で早道なのだ。

2012年6月14日木曜日

子どもは失敗させよ

こんにちは

失敗学の創始者、畑村洋太郎氏によると、失敗の原因は10種類あるそうだ。
無知、不注意、手順の不遵守、誤判断、調査・検討の不足、環境・制約条件の変化、企画不良、価値観不良、組織運営不良、未知。
9つめまでのことは、よく注意すれば防ぐことができる。
でも最後の未知は防ぐことはできないのだ、どうやったって。

だから、未知が原因で失敗した場合、それを責めてはいけない。
誰がやっても、どんなに用意周到に行っても、未知だけは対処できないのだよ、原理的に。
だって未知なんだもん。

けれども、未知は次からは既知になる。
だから未知による失敗は未来を創り出す素でもあるのだ。

工学、エンジニアリングは経験科学である。
失敗を、それも未知による失敗を通じて、発展していく。
失敗しないと進歩しない。
だからだから、未知による失敗を責めてはいけない。
進歩するチャンスだと喜ばねばならないのだ。

子どもの失敗は、たいてい子どもにとっての未知から来るものである。
だから責めちゃいけないんだよ。
叱っちゃいけないんだよ。
いい経験したね、次は同じ失敗はしないね、と言うのが正しい。

2012年6月13日水曜日

試験の真意

こんにちは

学ぶ、とは何か。
俺はまだまだ知らないことがたくさんある、ことを自覚することだ。
学ばない人に限って、俺は何でも知っていると言う。

入試でも資格試験でも、まずは過去問をやりなさい。
過去問には、どういう学生がうちの学校にふさわしいのか、どういう人材がこの資格に値するのか、それが書いてある。
目標とする人物像だね。
君がそういう人物になりたいと思うなら、しっかりと勉強し、仲間に入れてもらいなさい。

よい学校、上級資格試験の問題は、合格点が60点くらいになるように、念入りに調整されているものだ。
あまりに難しい問題ばかりにして、平均点を下げると、まぐれで合格する人物が出てきてしまう。
あまりに優しい問題ばかりにすると、誰が優秀な人材なのかわからなくなってしまう。
どちらも損。

試験というものは、ほぼ過去問と同じ問題が8割くらい出るものだ。
だからこの8割の8割、つまり60点くらいとれれば合格する。
 これは東大入試だって司法試験だって同じ。
なぜそうするのか。

世の中のあらゆる問題の8割くらいは、過去にも同様な問題が発生し、それを誰かが解決しているもなのだ。
全く新しい問題というのは、めったにはない。
過去に誰かが解決した問題なら、それに倣って解決すればよい。
ごく普通の人材はそれができることが第一なのである。
それは、あたりまえのことを確実にやり遂げることにつながるからだ。
学校は、社会はまずはそういう人材がたくさんほしいのである。

もちろん、全く新しい未知の問題、誰も直面したことのない問題に取り組む人材も必要だ。
だがこういう人材はそんなにたくさんは必要ない。
100人に一人、1000人に一人いれば十分だろう。
そういう貴重な人材を見分けるために、あるいは自分は貴重な人材だったと自覚させるために、2割の新たな問題を出す。

まあそれはうがち過ぎかもしれない。
ともかく、多くの人が誤解しているように、優秀な人材は新たな問題をパッと解決することができるわけではない。
8割の過去にも解決したことのある事例を、パッと想起できる人材なのだ。
だから解決が早い。
これは特にエンジニアには必要なことだ。

新たな問題に新たに取り組む場合、パッとはいかない。
時間がかかる。
優秀な人だってそうだ。

で、優秀な人とそうでない人を分ける分水嶺は何か。
それは、早々とあきらめてしまうか、しつこく取り組むかだ。
優秀な人はしつこい。
簡単にはあきらめない。
そういう態度も、入試や資格試験は育ててくれる。

2012年6月12日火曜日

若者を育てないシステム

こんにちは

今、職場のスタッフたちにエネルギー管理工学の勉強を教えている
管理するには基本を知らねばならない。
その基本とは、電気工学と機械工学である。
そのまた基本とは物理学である。
物理学と言ってもびびる必要はない。
高校で習う物理程度の知識と技能があれば十分。

スタッフの中に、工業高校の電気科卒の若者がいる。
仕事熱心で、設備管理に必要な資格もたくさん持っている。
2種電気工事士、電験3種、1種電気工事士。
これだけ持っていれば、電気に関する設備管理には十分である。
ところが、である。

エネルギー管理士試験の電気分野の過去問を解いているとき。
ケーブルの熱損失を求める問題だった。
これは基本中の基本、電気が専門の技術者なら簡単に解ける問題。
電気の資格で言えば、いちばん優しい2種電気工事士筆記試験程度。
だが、彼は解けないのである。
れれれれ??

電力P=抵抗R×電流I^2だよ。
高校でも習ったはずだし、2種電気工事士の筆記試験には必ず出題される。
高校卒業して10年以上経ったから忘れちゃったのかな。
工事士免許もずいぶん前に取得したからね。
でもねー、こういう基礎的なことを忘れてしまっては、今の設備管理の仕事だって満足にはできないはずだよ。
まして、エネルギー管理で改善しようなんて思っても、どこを改善すればいいのか判断できなくなっちゃう。

自分でわからない人は、他人に頼るしかなくなる。
じゃ、コンサルタントに頼みますか。
頼むにはお金もかかります。
そしてコンサルタントだってピンキリ。
へんてこな奴だっているんだ。
 
だまされないためには、コンサルタントから提出されたレポートを評価できなくちゃね
でも実力がなく評価できない人は、コンサルタントのいいなりになるしかない。
へんてこな提案を受け入れて、またお金が出ていく。
れでうまくいかなかったとき、絶対にコンサルタントは責任をとってくれない。
実力がなくて、どこが悪いのか追求できないから、言いくるめられてしまう。
こうして時間とお金を浪費してしまうんだ。

実力がない人は悲しい。
特にある程度の年齢になって、人の上に立つ立場になってから、苦しくなる。
そうならないようにしなくちゃね

そう言えば、と若い技術者君言った。
前の現場で、電気のことを教えてもらいたくて電気主任技術者の人に質問した。
そうしたら「バカ!そんなことも知らないのか!」と言われたって。
結局何も教えてもらえなかった。

それはね、教えてくれなかったんじゃなくて、教えられなかったんだよ。
実力のないおじさんほど、怒りっぽい。
自分の実力のなさを怒ることで覆い隠したいらしいんだな。
でもバレバレだよね。
そういうおじさんになるんじゃないよ。

工業高校の電気科を卒業すると、2種電気工事士(一般家庭の100Vや200Vの配線工事ができる資格)国家試験の筆記は免除になる。
なので、実技試験だけで免許取得。
さらに、工業高校電気科卒の人は、実務経験5年で電気主任技術者免許を認定で取得できる
つまり試験なし。
そしてさらに、電気主任技術者免許取得後、実務経験5年で1種電気工事士(6600V以上の高圧の電気工事ができる資格)も試験免除で取得できる。

資格をたくさん持つこの若いスタッフは、実は確固たる実力がまるでなかった。
実力もないのに資格が与えられている。
それはなぜ?
実は資格を取得するには、試験を受ける他に道があるだね。
つまり、彼は勉強らしい勉強はまったくしないで免許を次々と取得してきたわけ。
ぼくは、う~む、とうなってしまった。
それでいいのか。

確かに、免許を取得することが「目的」であれば、この方法は非常に合理的である。
免許を持っていれば、それだけ人材としての市場価値が高まり、就職にも有利になる。
でもその実態は、免許に値するだけの実力がない張りぼて。
これって、かなりリスキーな生き方だと思う。

本来、免許は何のためにあるのか。
いい仕事をするためであろう。
安全かつ確実に品質のよい仕事を提供する。
資格、免許はそれだけの実力がある者に与えられ、国としてその技術レベルを保証するものだ。
これは逆じゃないよ。
免許があるから実力があるわけじゃないんだ。
実力があるから免許が与えられる。
それが本来だ。
 
だから資格、免許取得の本当の「目的」は、その資格、免許を使ってよい仕事をするってことなんだよ。
そして、資格取得はそのための「手段」なんだな。
実力を身につけ、腕を上げるための「手段」なんだ。
決して資格取得が「目的」じゃない。
手段を目的と勘違いすることが不幸を呼ぶ。
 
実力もないのに、その有資格者として責任ある立場に立たされる。
それは恐怖でしかない。
目隠しして車を運転するようなものだ。
つ何時事故に遭うかもしれない。
アクシデントがあれば、有資格者として責任だけとらされる。
免許剥奪、懲戒解雇、ばあいによっては実刑判決、刑務所行き。
こんな人生は嫌だよね。
 
でも勉強するのは、努力するのは面倒なことだ。
だから安易に免許取得する方法があれば、そっちへ流れてしまう。
そういう技術者ばかり現場にやってくる。
恐ろしいことだ。
それを食い止めなくては
 
文句を言っても仕方ない。
だからぼくはスタッフたちに学びを教える。
学んだことは実際に役に立つことを教える。
それしかないのだ。 
 





2012年6月10日日曜日

物怖じしない子どもに育つ

こんにちは
 
今日は峻貴君のボーイスカウト入隊式。
ボーイスカウトの誓いを暗唱して臨みます。
そしてしっかり大きな声でハキハキと。
とても立派にできました。
スバラシイ!
 
はっちゃんにもとんたんにも、堂々とした人物になってほしいわけです。
堂々とした行動をするためには、実力がないといけない。
実力のあるなしは、フォーマルな場に出ると明白になります。
実力のない子って、普段はべちゃくちゃうるさいくらい、くだらないことを言うんですが、フォーマルな場に出るとおどおどする。
声も小さく、もごもごなんです。
自信がないからね。
 
自信を持つにはどうすればいいか。
それは準備。
それは練習。
しっかりと準備し、念入りに練習する。
そうすれば堂々とできるわけです。
 
準備もせず、練習もサボっていたら、おどおどするしかありません。
そしてそういう子は、自分の実力のなさを、恥ずかしさを覆い隠すため、インフォーマルなところで威張り散らしたり、虚勢をはったりするわけです。
こういう空元気はよろしくない。
いじめをするような子も、結局の所、フォーマルな場で堂々とふるまうだけの実力がない子なんですよ。
 
実力があれば、陰でこそこそと誰かをいじめたりする必要はありません。
人に対しても優しくなれます。
余裕があるからです。
 
だから、日々勉強なんです。
自分を高めるために努力を忘れない。
それが実力を高め、自信を磨き、堂々と物怖じしない態度につながっていくんです。

2012年6月9日土曜日

専門性とは何か

こんにちは

昨日は電気設備学会賞授賞式でした。
スパコン棟の電気設備でみごと受賞です。

こういう晴れがましい場に出られるようになるなんて思ってもみませんでしたよ。
ずっと「50歳になったら好きなことしなしない」と思ってやってきましたが、そういう状況が整いつつあります。
自分の好きなこと、得意なことをやって、ちゃんとそれで評価もされる。
嬉しいですねー。

専門性って何でしょうか。
他の人の持っていない、自分の腕を使って、そして何かに貢献すること、誰かに喜んでもらうこと。
貢献するから、喜んでもらえるから、持っている専門性も認めてもらえる。
そういうものだと思います。

受賞したこの仕事もぼくだけで成し遂げたものじゃありません。
優秀なスタッフたちが、それぞれの専門性を持ち寄り、それらを相乗効果で活用した。
だからいいものができた。

苦労を共にした仲間たち。
当然、喜びもシェアしなくちゃね。
だからスパコンプロジェクトの電気設備に関わったすべての会社にも受賞書に入ってもらおうと思ったわけです。
大人数での受賞で、学会事務局さん、大変だったかも!

2012年6月7日木曜日

仕事師たちの笑顔

こんにちは

一昨日はスパコン建設工事の2年目の検査でした。
ほとんど不具合はないので、検査と言うより同窓会みたいでした。
世界一へのサポートをしっかりとやれた男たちのいい笑顔です。

一般の建設工事では、契約上『保証期間」は1年間です。 
でもスパコンプロジェクトでは建物が完成してからほぼ2年かけてスパコンを設置して、性能試験をするわけです。
 だから無理言って、常識破りで保証期間を2年間の契約にしたんです。
世界一をGetするまでは、建設工事も続いているんだって気概ですね。
おかげでトラブルがあっても即対応してもらえました。
感謝です!

これで建物・設備類の保証期間は満了しました。
建設工事の総括監督員だったぼくの肩の荷も下ろすことができました。
ほっとしました。 

深く掘るためには広く掘れ!

こんにちは

今、職場の若いスタッフたちに熱管理工学の勉強を教えている。
に2回ほど、毎回1時間程度。
目標はエネルギー管理士国家試験合格。
けっこう歯ごたえのある資格試験です。
この勉強を通じて、設備管理工学の基礎的な知識と技術、そしてなによりロジカルな思考法を身につけてもらいたい。
若いエンジニアにとってはキャリアアップにもつながるしね。

エネルギー管理工学は大きく、電気エネルギー管理と熱エネルギー管理に分けられます。
エンジニアも、電気系の人と機械系に分けられます。
学校で電気工学を学ぶ課程と、機械工学を学ぶ課程は別々です。
機械工学の中に、熱流体工学が含まれているんですね。

でも総合的にエネルギーを管理するためには、電気と熱と両方の知識、技術を持っていないといけません。
なぜなら、モータや電熱装置など電気エネルギーが機械的エネルギーや熱エネルギーへと変換していくわけですし、発電機とボイラのように熱エネルギーが機械的エネルギーや電気エネルギーに変換していくからです。
だからシステム全体の効率を上げようと思ったら、電気と熱、そして機械についてきちんと知っておかないとならないのです。

かなりハードルが高い分野かもしれません。
でもね、これからの時代、専門が一つだけじゃだめなんですよ。
そんな人材はごろごろいる。
専門は二つ以上持っているべきなんです、シニアエンジニアになるためにはね。

一昔前は「T型エンジニアになれ」と言われていました。
T文字のように、一つの分野は深く掘り下げ、そしてその周りを広く浅く掘る。
でもこれからの時代は「V字型」なんです。
もちろん自分の専門は深く掘るんだけど、その周りもある程度深く掘り進む。
だってね、深く掘るためにはV字型に掘らないとだめなんですよ。
だって細く深く掘るのは難しい。
でも広く深く掘り進めるから深く深く掘っていけるんです。
その方が専門を深めることができるからね。

電気分野も機械分野も、技術、工学の上ではそんなに遠く離れた分野ではないんです、実は。
隣接分野なんです。
おれは電気屋だ、おまえは機械屋だと分ける必要もない。
両方学んだ方がいい。
その方がかえって自分の専門である、電気工学、機械工学を極められるんですよ

おれは電気屋だ、機械屋だと言っている輩に限って、底が浅いもんです。
専門家面すんなよって思います。
それは単に、他分野を学ぶのが嫌、面倒だと言っているに過ぎないんです。
本物の専門家なら、ハナから拒否なんかしないですよ。
自分の専門に役立つはずだと思って、好奇心を発揮してくるはずだからです。
その方が自分にとって得だってわかっているからね。

余談ですが、これはぼくが若い頃、中学校で非常勤講師をしたときも感じていました。
中学校の先生も、教科王国をつくっている人が多い。
分の教科の免許外のことはつべこべ言わない、その代わりおれの教科についてあれこれ言うなって。
それは違うんじゃないかって思いましたよ。
同じ教育の仕事をしているわけですし、中学で教えることくらいは、全科目は無理かもしれませんが自分の免許外でも教えることはできるはずです。
排他的な態度が、底の浅い教育をつくっちゃうんだって思ったもんです。
ああ、生意気なやつだったですね、ぼくは。
あはははは。
 

2012年6月4日月曜日

サイエンス・カフェ姫路 6月16日(土)開催!

こんにちは

6月16日土曜日、姫路でサイエンスフェを開催。
楽しいこと保証付き!
お近くの方はぜひお子さんと一緒に参加して下さいね!

2012年6月3日日曜日

へそくり

こんにちは
 
ぼくは単身赴任の神戸では、週1万円で過ごしています。
公共料金も含めてです。
公共料金の支払いがあった週はけっこうギリギリになりますが、それがない週は3000円くらいは余る。
余ったお金は、週末に子どもに本を買ってあげるのに使ったりしています。
 
今年初め、鳥取でサイエンスカフェをやったときのこと。
鳥取までの交通費を出すと、非常に厳しい状況になることがわかりました。
明らかにその週の1万円だけでは足りない。
仕方なく、生まれて初めてクレジットカードのキャッシングというのをしちゃったんです。
1万円だけですけど。
すんごく簡単にキャッシングできてしまったんで、怖くなってしまいました。
翌月の支払いの時に、キャッシング手数料と金利合わせて500円もよけいに支払いました。
1万円をたった1ヶ月借りて、500円も取るのはひどいです。
もう二度と借金はしないぞって決意しました。
 
以来、お金が余ったら毎週1000円ずつ「へそくり」することにしました。
いざというときに使うためにね。
お財布の奥ポケットに貯めていく。
単身赴任もなかなかに大変です。