2012年8月12日日曜日

100ます計算の極意

こんにちは

学力研全国大会で、深沢さんの「読み書き計算入門」という講座に参加。
100ます計算を授業に取り入れたいけど、まともにやるとけっこう時間がかかるんです。
子どもが計算している時間5分~10分、答え合わせに5分、用紙を配布したり回収したりで5分。
都合20分くらいかかっちゃうんです。
すると算数の授業時間、半分くらいつぶれてしまう。
そうすると教科書を進める時間がまるで足りなくなる。
100ます計算やればいいことはわかってるけど、現実的にできない。
だからやらない。
そういう先生が多いと思います。

深沢先生は、こう教えてくれました。

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100ます計算は、<習熟のための道具>です。
だから、計算自体ができるようになっていない段階ではやってはいけません。
足し算なら足し算、九九なら九九、どの子も時間さえあればほぼ完全にできる。
そういう状態になってから始めて下さい。

習熟すべきは、基礎学力です。
基礎学力はどの子にも身に着けさせなくてはいけないし、学力格差があってはいけないのです。
どの子も計算自体ができるようになってから100ます計算をやるから、習熟するし、学力格差も縮んでいくのです。

計算自体がまだできないのに100ます計算をやってしまうと、子どもたちの学力格差はもっと広がってしまいます。
できる子はスイスイと何千題とこなし、できない子はいくらやっても力が伸びないからです。
できるようになっていないのに100ますをやらせると、間違いも多く、時間も短縮しないため、子どものやる気を返って奪ってしまいます。
100ます計算が流行したとき、うまくいかないとか、子どもが嫌がるとか、批判も多かったのですが、それはやり方を間違えていた人も多かったからです。
どの子もできるようになるまでは、じっくりと教えないとダメなんです。

計算自体ができるようになれば、100ます計算を宿題にしても大丈夫。
学校で100題、家でも100題取り組めば、子どもたちはあっという間に習熟します。
つまり、間違えずに速く計算できるようになるのです。
授業時間にやらせても、最も遅い子でも5分もあれば終えることができるようにすぐなるものです。
それも数週間で全員が3分以内になる。

計算自体はどの子もできるようになっているのだから、答え合わせをする必要もないのです。
100ます計算をやり終えられる時間だけ気にすればいい。
よく子ども同士、隣の子と答案を交換して採点するなどしていますよね。
こんなことをやったら非常に時間を取られてしまいます。
答え合わせは割愛すればいいんです。
こうすれば、算数の授業の最初の5分間だけでも、十分取り組めるようになります。

もっとも、ずるをしていい加減な答えを書く子もいるかもしれません。
先生は、そういう子の答案だけチェックすればいいのです。
あるいは、時々100ますの1行だけ答え合わせをするとか、短時間で答え合わせをする方法はたくさんあります。
ともかく、100問全部の答え合わせをする必要はないのです。
こうやれば、教科書をやる時間を圧迫することもありません。
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ナルホド!でしょ。

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