2012年8月5日日曜日

安全装置を働かせよ!

こんにちは

いじめ対策の大原則。
それは、いじめている子といじめられている子を隔離すること。
物理的距離を離すことだ。
まずそれをやればよい。
小学生なら、クラスの中で座席を離すだけで、少なくとも授業中のいじめは防げる。

ところが教師がとる第一チョイスは、注意することだ。
もういじめてはいけません、いいですか、謝りなさい。
でも座席はそのまま。
いったんはいじめを止めるだろうが、すぐ再開してしまう。
だって、すぐそばに獲物がいるんだもん。
そしてまた教師は注意する。
これが繰り返される。
いい加減,気づけよ!

つまり、いじめを初期で治めるには「逃げられる体制」を作ることだ。
いじめられたらその場から逃げる。逃がす。
座席を離す、クラスを変える、転校する、学校を休む。
こういう物理的距離を置く「選択肢」を用意しておくべきなのだ。

いじめられる側、被害者が「逃げる」なんておかしいじゃないか、というかもしれない。
だが緊急時なのだ。
逃げなくちゃダメだ。
そこに留まって死んでしまうより,逃げろ。

どうも最近の風潮として、トラブルが発生した場合、それを解決、解消するより、悪者探しを優先するようだ。
 悪いのはおれじゃない、あいつだ。
悪者が誰かわかったって、それがすなわち解決ではない。
悪者が誰か特定できず、悪者なんかいないトラブルだって、この世には多いのにね。

いじめの問題だってそうだ。
いじめている奴が悪い。
でもそれがわかったところで、いじめられている子どもは救われないのだ。
ましていじめは、いじめられている子の生死に関わることだ。
第一チョイスは「逃げる」ことでよいのだ。

本来は,いじめを行うような子どもを、教師は、学校は排除しなくてはいけない。
加害者側を隔離するのが本来であると、ぼくも思う。
ひとつには、刑法などに触れるようなひどい行いの場合は、それを「いじめ」と定義するのではなく、それはもはや「犯罪」なのだとしっかりと認識し、警察に引き渡さなければならないのだ。
犯罪といじめを混同してはいけない。
 法に触れるものは、たとえ少年であっても司法の手に委ねるべきなのだ。 教師はこのことを強く認識し、子どもたちにもあらゆる機会に伝えていかなくてはいけない。

意外と知られていないが、少年は犯罪を犯しても罪になることはない、と誤解されている。
犯罪を犯せば、大人だろうと子どもだろうと罪に問われるのだ。
けれども、子どもは責任能力がまだ十分ではないから、責任は減免される。
すなわち、「罰」は年齢に応じる。あるいはその子の将来を勘案されるのだ。

もうひとつ、学校には「出席停止」という行政処分権がある。
学校という公共の福祉を行う場に,それを乱す生徒がいる場合は、公共の福祉を優先するために出席停止を命ずることができるのだ。
これは教育委員会の権限であるが、実際は校長が判断するものであろう。

公法というものはすべからく公共の福祉を優先するものとなっている。
公共の福祉を乱すものは、その権利を制限される。
生徒には,教育を受ける権利があるのだが、他の生徒の教育を受ける権利を著しく侵害する生徒は、その教育を受ける権利を制限され、出席停止を命じられるのだ。

さて、いじめを行う生徒を隔離するために、二つの道があることを述べた。
1.刑法などに触れる行いは犯罪として扱う。
2.出席停止という行政処分を行う。
この二つを見比べてみれば明らかであるが、出席停止という処分は犯罪以前になされる行為なのである。
つまり出席停止は、未だ犯罪と呼べるほどではないいじめの段階で行使すべきものなのである。
これが犯罪まで至るような過度ないじめを防ぐのだ。
これを校長や教員のみなさんは十分認識しているだろうか。

出席停止処分も一種の安全装置である。
工学的に言うと、安全装置はきちんと機能すると同時に、適切なタイミングで作動することが重要なのだ。
たとえば、圧力容器など内部に高圧な気体や液体を保持するものには、安全弁が付いている。
安全弁とは、ある圧力を超えると動作し、内部の気体液体を外部に放出するものだ。
容器内の圧力が過度になった場合、容器が爆発するより先に安全弁が動作し、内圧を下げる。
そうやって、大きな事故を防ぐ。
その意味で安全装置は、大きな事故を小さな事故に変換する装置、と言ってもいい。

だが、安全装置が動作したとしてもタイミングを逃すと、たとえ作動したとしても安全装置として機能しないのだ。
容器が爆発する圧力よりも高い圧力で安全弁が作動しても意味がないのはわかるだろう。

安全装置は,いろんなレベルで多段にもうける方がよい。
いじめが起きたら、まずは座席を離す。
それでもダメなら、クラスを換える、登校しない、転校する。
そして、いじめを止めないこは出席停止。
出席停止という安全装置を適切なタイミングで作動させれば、刑法に至るような暴走的な事態は避けられるのではないか。
そう思うのである。

2 件のコメント:

よっちゃん さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
よっちゃん さんのコメント...

西原理恵子さんはこう言っています。
「まず仮病(けびょう)を使おう。そして学校に行かない勇気を持とう。親に「頭が痛い」とでも言って欠席すればいい。うそは、あなたを守る大事な魔法(まほう)。人を傷つけたり盗んだりするのでなければ、うそって大事よ。」
がまんしすぎて死んじゃうくらいなら、仮病を使って休んじゃう方が断然いいんだよ。

http://www.asahi.com/national/update/0804/TKY201208040635.html