2013年4月26日金曜日

SPring8一般公開 明日です!

SPring8の電気主任技術者上西君からメールが来た。

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昨年度、SACLAの稼働時間は7,016時間でした。
今年度も7,000時間の運転を目指して、早期に研究成果をあげるべく
取り組んでいます。
運転実績が示すとおり、大きな不具合やトラブルもなく長期連続運転を
実現しています。
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おお、スバラシイ!
オレの造ったインフラ設備も安定稼働しているぞ。
Goodな施設を造ってくれたスタッフたち、それを安定運用してくれているスタッフたちに感謝ですね。Gratitude!

明日4/27はSPring8一般公開です。
SACLA、ぜひ見にいってください!
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/events/open_sp813/

少人数学級が必ずしも教育力を発揮できるわけではない


学力テストが行われ、また少人数学級実施への議論がさかんになってきた。
http://mainichi.jp/area/news/20130424ddn001100012000c.html
これを言うと、教員仲間からは総スカン喰うのだが、言わねばならない。
ぼくは、少人数学級には反対である。

確かに学級の人数が減れば、学級事務(通信簿をつけるとか)は楽になる。
だが、たかが事務仕事量が多少減るだけだ。
学級事務など効率的にやればたいしたものではない。
くだらん事務仕事は、校長、教頭が負担し、教師の負担を減らしてやればよい。

確かに学級の人数が減れば、すべての子に目が行き届く。
これまでの教育学の研究でも、人が一度に目に入る人数は20名程度であることがわかっている。
児童数が20名以下であれば、すべての子に目が行き届くだろう。
だが、常時すべての子を見ていなければ、教育できないものだろうか。
学級には常に目を届かせておかなければならない数人の子がいるだけである。
大部分の子どもはいつも見ている必要はないのだ。
ならば、学級の児童数を減らす意義は少ない。

少人数学級に賛成している人たちの議論を見ると、教師の負担を減らすことばかり言っているのである。
今は教師の負担が大きい、だからよい教育ができない。
そういう議論ばかりなのである。
それは正しいのか。

教育は教師だけで行うものではない。
学級の子ども同士の相互作用による教育力も非常に重要なのである。
少人数学級に賛成している人たちは、ここへの視点が欠けているのだ。

子ども同士の集団による教育力はあなどれないものがある。
たとえ障害のある子どもがいても、その子を子どもたちが育ててしまう。
さらにそれにより、健常児たちも育っていく。
それが北原キヨ先生が始められた混合教育の原理である。

子ども集団による教育力は、当然ながら学級の人数が減れば減るほど弱くなる。
だから、少人数であればあるほど教育が上手くいくわけではないのだ。
教師の教育力、負担、そして子ども集団による教育力。
これらの加減算で最適人数が決まるのである。

教育社会学者であれば、多くの学級での測定により、数学的モデルを構築し、オペレーションリサーチの手法により最適値を求めることができるであろう。
ここではぼくの直感による人数を述べておく。
小学校では35人から40人、中学校では40人から45人が最適値である。
これより少ない人数の学級では、子どもたちの活力は養えないであろう。

2013年4月25日木曜日

モンスターな人の残念な思考法


あなたの周りにもいませんか?
お前何様よ、と思うような人。
自分の実力を棚に上げて、エラソウに振る舞う。
エラソウな割に、向上心はまったく感じられない。

オレ様系の人の第一原理は「オレの方がエライ」である。
誰彼かまわず、自分の方がエライと言うことを示すために、自分のリソースすべてを使う。
問題が解決するかどうかはまったく気にしていない。

たとえば、モンスターペアレント。
こいつらも、先生よりオレの方がエライんだ、ということを示したいだけ。
子どもの担任の先生の、ごくごく小さなミスを素早く見つける。
驚くほど素早く見つけるんだな、これが。

まあ、たとえ小さなミスでも担任の先生に落ち度があったのは確か。
直すべきことだろう。
先生本人がそのミスに気づかないことだってある。
そっと指摘してあげるのも悪いことではない。

ところがモンスターペアレントは、担任の先生に直接言うのではなく、いきなり校長や教育委員会に訴える。
担任の先生に何回か言っても改善されない場合は、校長先生や教育委員会に言わざるを得ないこともあるだろう。
でもモンスターペアレントは、そういう順番、段取りを無視する。
いきなり校長、教育委員会に言いに行くのである。
なぜなら、担任の先生よりオレの方がエライんだ、と示したいからである。
改善してもらうことなど、どうでもよいからだ。

訴えられた校長や教育委員会も、ゴミみたいなミスではあるが、ミスはミスであるから、立場上その担任の先生を叱らざるを得ない。
いや、本当はそのくらいのことなら、適当にあしらえばよいのだが。
モンスターペアレントは、戦略的である。
オレの方がエライということを示すため、担任の先生に対して権力を行使しうる校長や教育委員会を利用するのである。

そうやって、我が子を教育してくれ、導いてくれるはずの担任の先生のやる気を奪う。
誰がそんなことをする親の子どもを、熱心に教えるだろうか。
またクレームを付けられるのは嫌だから、当たり障りなく適当に扱うだろう。

その子が本来受け取ることができた教育資源を破壊したのである。
自分は先生よりエライんだと思いがたいことと引き替えにね。
結果的に損をしているわけだ。
それに気づかない。
バカだなあと思うよ。

2013年4月24日水曜日

笑顔は実力の証


2月に受験した冷凍技師の結果が届きました。
合格!
嬉しいねえ。
もうぼくの年齢、ぼくのポジションでは、この資格で喰っていくわけにはいかない。
まだまだおれも、好奇心、集中力が失われていないってことを確かめられたのが嬉しいんだよね。

でもせっかく取った資格です。
この試験で得た基礎知識を元に、今年は冷凍学会全国大会で発表するぞー、って目標を立てました。
目標を立ててみたら、どんなネタで研究しようかアイデアも浮かびました。
すぐさま、全国大会参加申し込みしちゃいました!

昨日は我がチームで採用する新スタッフの面接。
もちろん必要な資格を持っているかどうかは重要ですが、それよりも頭がアクティブかどうかの方が重要。
新しい仕事に対応できるかどうか、です。

ぼくのチームの仕事だって毎日、毎日新しい問題が生まれてくるのです。
これに柔軟に対応できることが大切。
資格そのものよりも、基礎知識を持ち、それを新たな課題に適用していく。こういうアクティブさが必要なのです。
たとえ資格なんかなくても、頭がアクティブであれば1年もあれば必要資格に合格するでしょうから。

いくら資格を持っていても、固まっている人はご遠慮願いたい。
固まってしまった人は、かつて持っていたかもしれない基礎知識さえ揮発してしまっている。
固まってしまった人は、新たな問題に対処するより、逃げる方を選択してしまいます。
逃げてしまい、放置するから、問題を拡大化してしまうのです。

さらに、固まってしまった人は性格が暗いんです。
だって当たり前でしょ、自分に自信がなく、チャレンジしようとせず、逃げてばっかりの人生を歩んでいるんですから。

固まっていない人は逃げません。
逃げないからチャレンジする。
時に失敗するでしょうが、何とか対処しようといろいろ工夫しますから、問題を縮小化できます。
自分のとった行動とその結果を。常に自分へフィードバックしているので、めきめきと腕が上がっていく。
上手くいく確率も上がっていく。
失敗も減っていき、成功することが多くなる。

そうなれば、性格も明るくなるのは当たり前です。
明るい性格なら、他のスタッフとの協調性もよくなります。
性格も実力の属性なんですよ。
暗い顔をして、下ばかりを向いて仕事をして、おまけにいっつも具合悪そうにマスクをしているおっさん。
間違いなく実力がありません!


写真は実験助手をつとめるはっちゃん。
笑顔がすてき!

2013年4月23日火曜日

給料の3倍働け

「おれはそんなに給料もらってねえ。これやらせるなら給料上げろ」
そうほざくおじさんがいます。
そのおじさんが言うところの給料は「手取額」だったりします。
ひどいおじさんだと、奥さんからもらう小遣い額だったり。

給料分しか働かない、という人に限って、給料分も働いていないのが常です。
自分自身の「人件費」を見誤っているからです。
会社がおじさんにどれだけのコストを支払っているか、知らないのです。

手取額は税、社会保険などを控除したあとの金額ですから、会社が本人に支払う給料はいわゆる額面額。
額面額は手取額の1.4倍くらいでしょう。
じゃあ、額面額の1.4倍働けばいいのでしょうか。
いえいえまだ足りません。

社会保険の半額を会社負担しています。
さらに、総務部門などが行っている間接費も必要です。
それらを合わせると、会社が本人に支払っている人件費は、額面の1.5倍にもなっているのです。

すなわち、人件費=手取額×1.4×1.5=手取額×2.1倍。
つまり、手取額の2倍強働いてはじめて、その人の人件費が出る。
ここまで働いてようやく、その人が会社にいても迷惑にならないギリギリの線なのです。

ここまで働かない人は、会社にぶら下がっている迷惑な存在。
できれば辞めてもらいたいくらいの人なんです。
ギリギリしか働いていない人の給料を上げることなんかできませんよ。
だってここまでしか働かないのでは、会社に利益が出ませんから。

昔から「給料の3倍働け」と言われます。
3倍くらい働けば、会社に利益をもたらすことができます。
そういう人なら、会社にとって必要な人材となり、辞めてほしくない、辞められると困るわけですから、給料も上げていくことができるってわけです。


写真は理研和光一般公開での講演の様子。
実験助手は長男はっちゃん!

2013年4月22日月曜日

加古川でサイエンスカフェ 5/6

次は加古川でサイエンスカフェです!

 5/6(月)13:30~15:00
  加古川ウェルネスパーク図書館

お近くの方はぜひ!

2013年4月19日金曜日

明日は年に一度の一般公開!

いよいよ明日、理研和光一般公開です!
ぼくの出番は11:30、大河内記念ホールでございます。
座席数は100席。
ぜひ皆様のお力で満席にしてください!!
http://openday.riken.jp/science.html

2013年4月15日月曜日

理研和光一般公開4/20、来てね!


今週末4/20(土)は理研和光一般公開です。
http://openday.riken.jp/

ぼくは今年も出番をいただきました。
去年より広い会場だー!
http://openday.riken.jp/science.html

ぜひいらしてくださいね!

2013年4月11日木曜日

勉強しないエンジニアは淘汰される

理研神戸事業所に2年前に建てたiPS研究棟が、電気設備学会賞振興部門賞を受賞することに決定!
ほらほら、iPS細胞実用化一番乗りを目指している研究者のいる建物ですよー。
http://www.riken.go.jp/research/labs/cdb/retin_regen/

小規模な研究棟だけど、これまでぼくが造ってきたバイオ系研究棟のノウハウをすべて注ぎ込んだ施設なので、受賞できて嬉しい。
審査員の受賞コメントに

 「特に注目する技術は採用されていないが、既存の技術をうまく組み合わせ、
  良質な研究施設に仕上がっている」

とあった。
いいねー!
ぼくの仕事のコンセプトは、新奇性より安定した技術、こなれた技術、枯れた技術をうまく組み合わせて、新しいものを創り出すってこと。
たくさん学んで、そこから必要な技術をチョイスし、上手い使い方をする。
そういうことも証明されたかなーって思って、とてもゴキゲンさ!

ぼくはいつもスタッフたちに言っている。

 エンジニアは勉強家でなくてはならない

ってね。

確かに現代は「正解のない」世の中だよ。
でもね、それをまるごと鵜呑みにしちゃいけないよ。
ほとんどのことには正解があるんだ。
正解がある問題まで正解がないと思って、ゼロから取り組もうとするから、何時まで経っても仕事が終わらないんだ。

だって僕らは凡人なんだ。
なんでも自分ひとりで解決できるわけがないじゃないか。
ほとんどの問題は先人が苦労して解いてくれている。
だから、それを学び、真似をすればいい。

そうして楽をするんだよ。
全部のことをいっつもゼロから初めて、自分ひとりの力で解決しようとしたら、いくら時間があっても足りないし、疲れちゃうよ。
結果として、努力した割には成果が出ない。
成果が出ない努力ほど、人の心をむしばむものはないからね。

だから、学ぶ。
学んで真似をする。
そうすれば楽に解決できるんだ。

そうやって楽ができれば、余裕も生まれる。
余裕があれば、まだ誰も解いたことのない困難な問題にも取り組むことができる。
ほとんどのことで結果を出しているんだから、ちょっとくらい失敗してもいい。チャレンジングにもなれるってわけさ。

そしてそいつをうまく解決することができたなら、それが後輩たちへのプレゼントになる。
同様な問題は、同様に解けばいいからね。
後輩たちはこれまでより一つ多く、楽になれる。

それがまた余裕を生む。
後輩たちも、まだ誰も解いていない問題に挑んでいくことができるんだ。

これは子どもたちにも伝えたいことだ。
いくら「正解のない時代」だからって、小学生、中学生にきちんとした「正解のある」問題をやらせないのはいけません。
正解のない問題に対処するためには、正解のある問題を解く訓練を十分しなければだめなんだ。

世の中の問題のほとんどは、すでに先人が正解を、正解に至る筋道を見つけてくれている。
それを知らせないといけない。
仕事ができない、悩んでばかりいる人は、たいてい正解のある問題に悩んでいるだよね。
すなわち不勉強。

不勉強は損であることを教えるためにも、小中学校では基礎となる「正解のある」問題を徹底的に教えないといけないんだ。

文科省情報広場でサイエンス・カフェ4/15

4/15(月)18:30から、東京虎ノ門の文部科学省庁舎1F情報広場で、サイエンスカフェをやります。

対象は高校生以上ですが、小学高学年以上なら楽しめる内容だと思います。

お近くの方はぜひ、仕事帰りに遊びに来てくださいねー。

 申し込みは明日金曜日4/12までとのこと。
申し込み方法等は以下。
http://stw.mext.go.jp/pdf/ScienceCafe/H25ScienceCafe_tokyo.pdf