2013年9月20日金曜日

模擬試験活用法

今日は、模擬試験の使い方について御指南いたしましょう。
模擬試験が終わったら、結果だけ見てたりしませんか。
順位や偏差値、合否判定で一喜一憂したりしてませんか。
それも大事だけど、それだけじゃもったいないんです。
必ず復習しなくちゃね。

模試で間違えた問題をやり直す。
と言っても,闇雲にやってはいけません。
復習にも「技術」がいるんです。
カリスマ塾講師である金廣志氏は,こんな法則を見つけたそうです.
  偏差値=100-正答率
ある模擬試験の問題のうち,受験者の50%が正答できた問題を解けるなら,その子の学力偏差値は100-50=50ということ.
受験者の40%が正答できた問題も解けるなら,その子の学力偏差値は100-40=60ということ.
受験者の30%が正答できた問題まで解けるのなら,その子の学力偏差値は100-30=70ということです.
偏差値70と言えば,上位2.3%ですよ.
このくらいの偏差値があれば,たいていの学校に合格するでしょう.
ここからわかることは,トップクラスの成績をとるために,決して突飛な知能を持つ必要はないんです.
誰もが解ける基礎基本レベルの問題を,穴なくできればよいのです.
闇雲に勉強するのではなく、自分の穴を見つけ、そこをきちんと埋めていく。
そうすれば、少ない努力で、短い時間で、成績を上げていけるのです。
たとえば今、自分の偏差値が40だったとします。
ここから成績を上げていくわけですが、一気に60や70は狙わない。
狙っても無理。
とりあえず偏差値50を狙うとしましょう。
そのために模擬試験を活用するのです。

模擬試験で間違えた問題をやり直すわけですが、全部やり直す必要はありません。
模擬試験の結果にはたいてい、それぞれの問題の正答率が書いてあります。
それらのうち、正答率が50%以上の問題だけを勉強するんです。
もちろん自分が正解だった問題に、もう一度取り組む必要はありませんよ。

正答率50%未満の問題は、とりあえず放っておくんです。
だってそれはまだ自分には無理な問題なんですから。
基礎基本が身についていないから偏差値40なんです。
偏差値40しかないのに、正答率50%未満の、受験者の半分以下しか解けない問題がスラスラマスターできるわけがありません。
ちんぷんかんぷんに違いありません。
身の程を知れ!なんです。

まずは正答率50%以上の問題を復習するのです。
正答率50%の問題はごくごく基本的な問題ですから、それほど難なく勉強し終えることができるでしょう。
それだけでも、次の模試の時には,偏差値50には届かないかも知れませんが、確実に成績は伸びているはずです。
模試の成績が偏差値50に届いたら、次は正答率40%の問題に取り組む。
もちろんこれまで受験した模試の該当する問題も勉強するんですよ。
正答率50%まできちんと穴埋めができているので、すなわち基礎ができていているので、正答率40%の問題でも、それほど大きな負担なくやり抜けるでしょう。
時間もそれほど必要ないと思います。
正答率40%も問題をやり抜くうちに、自分の成績も向上して偏差値60に届くようになります。
そうしたら次は正答率30%の問題に取り組むのです。
もうこの頃にはかなりの実力がついているので、正答率30%クラスの問題でも、理解できるようになっているはずです。
トップクラスはもう目の前ですよ!
ぼくもは若い頃進学塾講師をしていましたが,生徒の中にとんでもなく算数ができる子がいました.
超難問を一瞬で解く.
模擬試験で言えば,正答率が1%にも満たないような難問が解けるのです.
講師であるぼくより明らかに頭がよい(笑)。
でもね、このような天才児の行く末を見ると,意外と後から伸びていないようなんです.
それは超難問は解けるが,ごくごく当たり前の問題でポロポロと失点する.
それが能力の伸びを阻害してしまうのです.
すなわち,天才であっても基礎的なところに穴があると、だんだんとダメになってしまうのです。
そもそも天才君たちは地道な努力をしません。嫌います。
何の努力もしなくても、算数の難問が解けてしまうから。
でも難問と言っても小学校レベルですよ。
中学、高校レベルの数学を習えば、誰でも解けるようになる問題なんです。
中学、高校、大学と、そして社会人になっても、継続してトップクラスでいるには、やはり基礎基本に穴がないこと、それとちょびっと努力する習慣が欠かせないのです。
天才児でなくても、当たり前のことをきちんと穴なく勉強すれば,だんだんと能力を高めることができる。
たとえ天才児であっても当たり前のことを疎かにしていると,自らの将来を狭めてしまうのだと思います.

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お子さんに勉強させるときに,皆さん,闇雲にやらせていませんか
うちの子は算数ができないんです,理科ができないんです.
では,理科の何ができないのか.
それがわからないままに勉強させていると思うんです.
もうそんなところはわかっているよ,っていうところを長時間勉強させてると思うんです.
正答率調査をすると,この子には一体何が欠けているのかがはっきりする.
そうすると,勉強量が圧倒的に少なくなる.
むやみな勉強をしなくていい.
ピンポイントで勉強すれば成績は上がるんだということです.

森上展安『10歳の選択』ダイヤモンド社¥2000- 金廣志氏論文より
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