2013年9月9日月曜日

旅の終わり

また若者(という年齢でもないような気がする)が「自分探し」に旅立っていった。
でもね、旅先に自分なんていないんだよ。

自分が自分でいられると感じるのは、自分の居場所が見つかった時
その居場所は自分で決めた場所じゃないんだ。
周りの人が「君はここにいていいよ」と言ってくれる場所。

ヒトの「自分」って実は周りの人、他人が決めてくれるもんなんだよ。

子どもの頃は父母や家族だね。
生まれたばかりの君を無条件で認めてくれた。
だから居場所があったんだ。

でも成長するに連れ、お父さんもお母さんもあれこれ言うようになったでしょ。
早く起きなさい、挨拶しなさい、お手伝いしなさい、学校に行きなさい、勉強しなさいって。
それはもう君が無条件では認められない年令になったってこと。
条件づきで認めるってこと。
条件をクリアするのならここにいていいよって。   

なぜお父さんもお母さんもだんだん口うるさくなるのか。
条件を厳しくしていくのか。
子どもはやがて大人になるから。
大人になって社会に出ていかなくちゃならないから。
そのときにも自分の居場所を見つけなくちゃならないから。
そのときに周りの人に認めてもらわなくちゃならないから。 

早く起きられなくて遅刻する奴、挨拶もろくにできない奴、ちっとも学ぼうとしない奴、気配りができない奴。
こんな人間を認めてくれる場所があるだろうか。

君がここに居づらくなったのは理解できる。
だって誰も君を認めてくれないんだもんね。
君を認めてくれる場所を探しに行ったほうがいい。  

旅に出るのもいい。
お金さえ持っていれば、旅先の人たちは程々に歓迎してくれるだろう。
短期間なら人は案外親切だしね。 

でも旅はいつかは終わりにしなくちゃならない。
そのときに、君が周りの人に認めてもらえる人間になっているかどうかだ。
誰かの役に立つ人間になっているかどうかだ。
人間の社会は「条件付き」だからね。 

じゃ、よい人生を! 

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