2015年11月3日火曜日

余分にやるから余裕が生まれる

こんにちは

先週末、はっちゃんは算数検定6級(小6終了レベル)、とんたんは9級(小3終了レベル)を受検しました。
準備万端で、かなりよい仕上がりになってきて、二人とも90点以上は確実でしょう。
今回の検定のめあて。

 峻貴;文字をていねいにかく。問題文をじっくり読む。最後までしぶとくやる。
 溌貴;1問ごとに見直し、検算をする。最後までねばる。

試験終了後の自己採点では、はっちゃんは全問正解のようです。
6級=6年生修了レベルですから、1学年以上の問題をこれだけこなせるのはすばらしいですね-。
とんたんは、凡ミスがまだ多いようです。
ま、まだ3年生ですからね。
これから、これから。

我が家は満点主義ではありません。
満点を目指さなくていい、と子供たちに伝えていますし、ぼく自身そう実践しています。
だって、満点を取るためには細々としたトリビアルなことまで、後々まるで役に立つことのないことまで学ばないとならなくなるからです。
無駄が多いのです。
満点狙いが習慣化してしまうと、どれもこれも全て学ぼうとしてしまい、何が本筋で、何が枝葉なのかが分からなくなってしまうのも困りもの。

それに、人間はミスをする動物ですから。
満点を取るより、ミスしたときどうリカバーするかの方が大切だと思いますしね。
あらかじめミスを見込んでおくって大事だと思っています。

今回、はっちゃんには自分で過去問集をこなしてもらいました。
試験までの日数と問題集の分量を見て、1日にこなすべき量を決める。
あとはもくもくとそれをこなす。
できなかった問題は解答を見て理解する。
解答を見ても理解できないときだけ、ぼくに聞くよう言いました。
とうとう一度も質問されませんでしたがね(笑)。
ぼくは、ノートを見て、ちゃんと理解しているかどうか、計算過程を読んで確認するだけでした。

実は、5年生までの算数が完璧近くまで仕上がっている子にとって、6年生の算数のカリキュラムは易しいのです。
分数の乗除くらいです、新しいネタは。
6年生は卒業年次なので、卒業関連行事などに配慮してカリキュラムを軽くしているのです。
できて当然なのです。

という状況なので、5級(中1終了レベル)のテキストも購入。
ざっと見たところ、これまた易しい。
小学校の算数より易しいんじゃないかってくらい易しいのです。
ついでに、4級(中2)3級(中3)テキストも見てみたところ、やっぱり易しい。

要するに、中学数学は内容が薄いのです。
なぜなら、元々の中等教育学校を戦後、中学、高校にに分割したからです。
義務教育化した前半の中学校は、全部の子供が履修するので易しめにした。
それが今も続いているのです。
おまけに例の「ゆとり教育」で、さらに易しくなっているのです。

だから中高一貫校では、中学数学は1,2年生で終わらせるのが普通です。
2年生1学期で終了という学校もあります。
それどころか灘中は1年生のうちに中学数学は終わらせてしまうのだそうです。
数学が得意な子ならまるで無理なくできるでしょう。
逆に言えば、公立中で学ぶ子で数学が得意な子は、あまりに易しくで数学に魅力を感じなくなってしまう恐れがありますね。
だからこのことに注意して、学校でのペースは気にせずに、どんどん先へ進んじゃった方がいいのです。

中学数学に対して、高校数学はボリュームが大きい。
中学校を軽めにした分を、全部高校へ持って行っているから。
数1から数3までを3年間でこなすのは、数学が得意な生徒でも大変だと思います。
特に数1は、新しい概念がたくさん出てきて、身につけるには時間がかかりますね。

数3はまるで技術数学です。
理工系、それも物理工学系へ進むためのテクニカルな道具としての数学。
はっきり言って、つまんない数学(笑)。
もちろん、工学部や理学部では数2、数3の技術は役に立ちます。
社会人になって、技術職であれば数2、数3の技術でメシが食えます。

高校生の頃、数2、数3がよく出来て、自分は数学が得意だと思って大学の数学科に進学してしまうと、面食らうと思います。
数2,数3と大学数学はまるで違う。
数2,数3で身につけたことは、あまり役に立たない。
むしろ数1の基礎の上に大学数学はあります。
だから、上位校ほど数1の出題が多いようです。
数1をじっくり学ぶ時間を確保するために、中学数学は早めに済ませておくのがよいのです。

というわけで、はっちゃんは来週から中学数学に突入です!
来年4月には5級を90点以上で通過、小学校卒業までに4級(中2レベル)までやれちゃいそうです。
ちょっと先まで勉強しておくと、その前のレベルは楽々こなせるようになります。
ちょっと余分に勉強するから、心と時間に余裕がうまれる。
暇な時間が個性をつくります。
だから、暇な時間を作るために、余裕を生み出すために、余分に勉強するんです。

何事も「一手間かける」とすごくよくなるってこと多いです。
でもなかなかその一手間をかけられない。
一手間かけるためには心と時間に余裕がないと。
我が子たちには、一手間かけられる人になってもらいたいな。
そのためには、少し余分に努力するって事が大事ですね。

###
きっちり労力をかけて学んだことは、どこかで必ず役に立ちます。
必要以上に勉強したことがゆとりにつながる。
これが本当の「ゆとり教育」なのです。
戦後の「ゆとり教育」というものは、私に言わせれば「怠け教育」以外の何ものでもありません。
「ゆとり」という名のものとに、教師も学校も怠け続けただけではないのでしょうか。
だからどんどん学力が落ちていって、今になって慌てているわけです。
しかし、本当のゆとり教育というものは「詰め込み」が重要になってくると思います。
もちろん受験勉強のための詰め込み教育は問題外です。
ここでいう詰め込みとは、いわば「教養の詰め込み」のこと。
この上積みこそが受験などという近視眼的な目標ではなく、人生の方々で待ち受ける難問にぶち当たった時、かならず役に立つわけです。
By橋本武

0 件のコメント: